内容説明
1851年、ヴィクトリア朝大英帝国の技術と力の粋を結集した「万国博覧会」が、ロンドンで開催された。その会場となったのが総ガラス張りの巨大な建物・水晶宮である。さまざまな困難を乗り越えて、この万国博覧会を大成功に導いた総指揮者・アルバート殿下、近代建築の先駆けとも言える鉄とガラスの殿堂を構想し、実現させた、庭師上がりの「セルフメイド・マン」ジョーゼフ・バクストン、そしてディケンズ、スティーヴンソン、ブルネル…、水晶宮の誕生から消滅までの歴史を通して、その「生涯」が象徴するヴィクトリア朝の繁栄と変容のドラマを鮮やかに描き出す。
目次
1 ヴィクトリア朝の成り立ち―1851年へのプレリュード
2 万国博覧会への道
3 設計の危機―そしてジョーゼフ・パクストンの登場
4 アルバート殿下の暗い月
5 水晶宮の実現へ
6 ガラスの殿堂
7 1851年5月1日―開幕の日
8 館内展示品―機械部門と美術部門を中心に
9 会場のにぎわい
10 再びパクストン
11 変容の水晶宮
12 炎上―そして終焉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みーこ@ただのねこ(春毛)
2
ヴィクトリア時代のイギリスの繁栄を象徴するとも言うべきロンドン万国博覧会。その会場である、水晶宮を扱っている。総裁であるアルバート公、水晶宮設計者のジョーゼフ・パックストンに特に焦点をあて、当時の時代背景や当時の人々が美徳としたものについて分かりやすく書かれている。後の時代からは批判も多い時代ではあるけれど、水晶宮が象徴する輝かしさは事実なのだと実感できた。2013/08/23
ひつじぐさ
0
ロンドン万国博覧会の会場として作られた総ガラス張りの建物、水晶宮の誕生から消滅までの物語。「エマ」2巻で二人のデートの場として登場していたので気になって読んでみました。(こちらはシドナム移転後の話。噴水も描かれてます) コンペや万博が開催されるまでの様子からしっかり書かれているので、万博が始まるわくわくした気持ちが味わえます。万博で出展されたものも絵入りで載ってるので楽しい。「水晶噴水」や「1851枚の刃を持った万能ナイフ」は本物見てみたかったです。水晶宮は消失しており、見れないのが残念でなりません。2014/11/22
かずら
0
ロンドン万国博覧会の会場になった巨大なガラス張りの建物、水晶宮。その計画から焼失までを書いた本。ヴィクトリア女王の夫アルバートって活躍してたんですね。女王の夫=影が薄いイメージがありました。これも一種の内助の功です。水晶宮を作った技術やそこに魅せられた人々の感情を見ていると、『エマ』の番外編のロンドン万博編を思い出しました。新しい技術へのわくわく感があふれています。(もちろん、水晶宮をよく思わない人もたくさんいたのですが)私もできることなら本物の水晶宮をこの目で見てみたかったと思いました。2014/08/20
テッテレこだち
0
タイトル通り、1851年万博の舞台となった、クリスタル・パレスの誕生と崩壊の話。図説がわりとあるのと、当時の新聞・通俗雑誌などからの引用が効果的で楽しい。2012/10/02
inhhh
0
かなり好事家向け。思想史的な話はあまりない。2024/04/29
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