内容説明
20世紀を代表する技術家、バックミンスター・フラ-が遺した記念碑的著作の新訳。地球を一つの宇宙船と捉える彼の刺激的な発想は、人類が直面している全地球的問題の解決に示唆をあたえ、またエコロジー・ムーヴメントやインターネット的思考を生むきっかけにもなった。「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」(マーシャル・マクルーハン)といわれているフラーのメッセージは、私たちに発想の大転換を迫り、新たな思考回路の形成を強く促す。
目次
第1章 ものごとを包括的にとらえる資質
第2章 専門分化の起源
第3章 包括的に働く自動機構
第4章 宇宙船地球号
第5章 一般システム理論
第6章 シナジー
第7章 総体の一部をなす機能
第8章 再生を続けるランドスケープ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
166
曲解かも知れないけど、マニュアルと言う体を借りて、考えることを人任せにするな、地球の未来を政治屋に任せっきりにするなと言いたいのでは無いかな? みんなよく知り考えろ。と。(あっ、はい。すみません。)将来的には政治も成熟して欲しいと願いますが、万年単位の時間が掛かるんじゃ無いかなーと個人予想(←まぁ、根拠はないし当たらないよね)。人類の知性はもっと早く解決出来る筈と願いますが。本編以降の注釈は雑多に収められていますが、こちらの方が興味深かったりしました。( ¨̮ )。2020/04/03
獺祭魚の食客@鯨鯢
62
共同体意識の重要性は理性でわかっていても本能が欲望を抑えきれない。本書はエコロジーを説いたものですが啓示的に受けとめてもよいと思います。 地球の歴史でビッグファイブと呼ばれる種の絶滅がありましたがその後は別の種に取って代わり続けました。人類もその一つですが地球という母なる大地(ガイア)にとって不可欠の存在である訳でもありません。 人類が活動できなくても、自然は今までと変わりません。サクラは咲き、富士山は気高く、月は美しくあり続ける。「花は咲く」が作られたときの真摯な気持ちに戻りたい。2020/04/27
galoisbaobab
18
フラーは1960年代にはすでに今の時代を見通していたんだな、と思いつつも政治というドメインではコンピュータは選挙に勝つための支援にしか使われていないということから時代はフラーに追いついていないとも言える。世界をフラットにしコンピュータというリソースを使って合理的意思決定をするけどそのためには富の再定義が必要だし還元的手法は隷属的手法にすぎず自由のためにholismに準拠するメタフィジカルなプラグマチズムが必要って言う過激派ですが好きです。今の時代のフラーを目指したいですねー。2017/07/24
ブック
12
我々人類の本当の富とは、考えることによって蓄積されたノウハウであり、それは増える一方だ。人間は化石燃料(つまり地球本体)を燃やしてエネルギーにするのではなく、それは太陽と月が生み出したエネルギーを利用できるようにするために使うべきで、人間のサイクルを地球の側に合わせなければならないというのが、本書の主張だと解釈した。当初想像したような環境問題の書ではなく、もっと宇宙と言う高い視座から人類のなすべきことを見直すことを説いている。著者の主張の行方を知らずに読むと難解だが、後半の注釈が理解を深めさせてくれた。2023/08/01
Bartleby
12
バックミンスター・フラーのマニフェスト的な一冊。相当にポジティブな思想で、自分的には解説で挙げられているような問題点の方が気になったりもしたけど、「富」の定義を語った次の箇所は富という言葉のイメージを新鮮なものにしてくれるもので面白かった。「富とは私たちの組織化された能力で、私たちの健全な再生が続けられるように、また私たちの未来の日々を物質的、超物質的(メタフィジカル)に制限する要因をなるべく減少させるように、環境に対して効果的に対処していくものp.89」2014/05/12
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