内容説明
聖歌と祈りの後の深い沈黙、バイユーのタペスリーに織り込まれた運命…、長い間の在仏生活に血肉化されたフランスと日本の言語・文化・生活への透徹した観察と観照、そして真に開かれた知性と感性が織り上げる燦然たる思索的エッセイの数々。言葉によって人間存在の意味を解明しようとする西洋の姿勢に強くひかれると同時に、異質感もはっきり感じながら、「人間」への道を模索する折々に語られる断章。著者の親しく知った森有正をめぐる作品群も併載して、現代日本の文化風土にいま放たれる、静かな、そして確かな衝撃。
目次
光としての言語
ある友情の表現―『ジッド=ヴァレリー往復書簡』の底流
夏の日の感想―地中海の光と「東条証言」
死・行為・言葉―モーリス・パンゲ氏に
アンビヴァロワール―または両価性を生きる
模倣と創造―パリの「前衛芸術の日本」展をめぐって
バイユー散策―自由と運命
知と笑い
エクアン妄想―肉体と魂
私の中のシャルトル〔ほか〕
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