内容説明
あらゆる社会において、「コード」や「ネットワーク」といった社会構造に還元できない「演劇のパラダイム」が作用している。それは、社会のさまざまなレベルに拡散された権力関係に照明を当て、社会の常態としての政治を浮かび上がらせる。そして、アフリカの古王国で、ルネサンス期のイタリアで、絶対王政下のフランスで、また現代民主制や「社会主義」社会においても共通の、権力の普遍的な相を明るみに出す。―王と道化、カーニバル、裁判、選挙、式典、メディアの表象など、さまざまな時代と事象をとおして、政治権力の本質を解明する。
目次
第1章 芝居(演劇支配制;フィレンツェ・サヴォナローラ・マキアヴェリ ほか)
第2章 まぜ返し(秩序と無秩序の力学;嘲りのゲーム―順応性を導く手段 ほか)
第3章 裏返し(妖術師―社会を逆転させる下手人;魔女裁判―社会浄化のための供犠 ほか)
第4章 画面(イメージの政治;見世物国家 ほか)