内容説明
1845年夏、ヘンリー・ソローはウォールデン池のほとりに自分で家を建て、以後2年2カ月におよぶひとり暮らしを始めた。アメリカが経済原理に取りつかれ始めたその時代、彼はそんな社会のあり方に疑問をもち、人間精神の復権を目指して、社会の外側で生きることを実践した。本書『ウォールデン』は、その実証の記録である。そして人間界とはうらはらに、伸びやかで自由な野性世界の、実に魅力的な宝庫でもある。ソローの思想を忠実に訳文に反映させた、古典的名著の新訳決定版。
目次
生計
暮らした場所、暮らした目的
読書
さまざまな音
ひとり暮らし
訪問者たち
マメ畑
村
さまざまな池
ベイカー農場〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sibafu
5
1845年にマサチューセッツ州コンコードにあるウォールデンの森に自分で小屋を建てて、二年ほど暮らす。思想家であり詩人でもあるソローの現代社会批判と自然礼賛の書。「森の生活」の邦訳で有名。社会を批判するのは簡単だが、ソローは実際に森で暮らすという日常からの離脱を経験し、社会を外から見ることに成功しているので説得力がある。詩的でありギリシャ神話や仏教経典からの多くの引用によって綴られるウォールデンの森、池の姿はとてもまぶしい。森に住むというこれほどまでの彼の行動力が羨ましく憧れる。人類史上貴重な一冊。2013/11/13
りお
0
現代日本にも通ずる教訓の含まれた本当。また、自然描写もすばらしい。2014/07/24