内容説明
ただよく念仏すべし。石に水をかくるやうなれども、申さば益あるなり…。十三世紀末から十四世紀半ばにかけて成立した仮名法語集。法然上人、明遍僧都、明禅法印など三十四人の念仏行者、遁世者が、ひたすら往生を求めて語りかける。浄土門の信仰が平易なことばで綴られた文言集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
70
中世日本人の強烈なまで極楽往生を希求する意思を後世に示した一書。まるで死ぬ為に生きているかのように感じさせるものがある。現代より遥かに死が日常茶飯事であった時代、自分の死を納得して受け入れたいのかなあと思う。2024/09/29
shi-ma
2
ごちゃごちゃ考えるな。妄念が湧いても気持ちが揺らいでも死ぬまで念仏を念じつづければ極楽往生間違いなし。むしろそういう気持ちがないのに念仏を唱える事自体間違っている。ひたすら生を嫌って死後の往生を願う言葉を沢山まとめたこの本はハードコアを通りこして何か素朴さのようなものまで感じてしまう。ただ、神仏の権威も無くなった現代を生きる自分からしたら「そんなに生が嫌なら念仏を唱えながら首でも括ったらどうだ。すぐ往生出来るぞ」と思うがそういう問題でもないのか。念仏者に聞いたら「近道してもろくな事がないぞ」と言われるのか2020/02/08
剛田剛
1
•「誰でも念仏を唱えれば阿弥陀仏は我々衆生をお救いくださる」という教えは救済の思想としてまことに簡潔で純度が高く力強い。この信仰が普及している土地に異国の差別的で残酷な神が営業にやってきても商売にならないのは自然である。•とはいえこの専修念仏は現世との穏健な接点を見出しづらい教義であり、支配層から危険視されたのも当然ではある。本書で紹介されているさまざまな信者や高僧のエピソードにしても、「日本中がきみのレベルに落ちたらこの世の終わりだぞ!」という感じが抜きがたくつきまとう。2025/08/04
じめる
1
すぐれた文学は念仏だろうか……2014/01/21




