内容説明
精神の医学と身体の医学とは、いかなる関係をとり結ぶべきなのか?精神医学の分野で思想的第一歩を踏み出したフーコーは、この基本的問いを発することから始めている。精神の病理学を疑似科学的な身体の病理学から解放し、患者の“主観性”に彩られた病的宇宙の意味づけを行わねばならない。そして、現存在分析を媒介としつつ、世界における人間の実存そのものを問題にしようとする。しかし、人間を疎外する社会のなかに「精神疾患の患者」を作り出す歴史的条件が備わっているならば、そもそも異常性とは社会と文化に依存することになるのではないか。のちの『狂気の歴史』(1961年)の思索への大転回を内包した幻の処女作(1954年)。
目次
精神の医学と身体の医学
第1部 病の心理学的な次元(病と発達;病と個人史;病と実存)
第2部 病の条件(精神の病の歴史的な意味;葛藤の心理学)
著者等紹介
フーコー,ミシェル[フーコー,ミシェル][Foucault,Michel]
1926‐84年。フランスの哲学者。エコール・ノルマル・シュペリウールで哲学を学び、その後、精神医学の研究などに従事、『狂気の歴史』『臨床医学の誕生』を世に問う。続いて刊行した『言葉と物』『知の考古学』は1960年代における「構造主義」的思索の潮流のなかで、一種のブームを巻き起こした
中山元[ナカヤマゲン]
1949年生まれ。思想家・翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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evifrei
ラウリスタ~
roughfractus02
にしの
さえきかずひこ
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