ちくま学芸文庫<br> 作家の日記〈1〉

ちくま学芸文庫
作家の日記〈1〉

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  • サイズ A6判/ページ数 422p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480083814
  • NDC分類 984
  • Cコード C0198

内容説明

ドストエフスキーは、肉親にも、親友にも理解されることがなかった。批評家には、作品は理解できても、その人柄は理解できなかった。その意味で、ドストエフスキーほど孤独な人間も珍しい。それだからこそ、なんとしても自分自身について語りたい。『作家の日記』は、ドストエフスキーの、このようなやむにやまれぬ気持から生まれた特異な作品群である。第1巻は、1873年に雑誌『市民』に発表したものを収める。

目次

1873年(はじめに;往時の人たち;環境;個人的なことをひとつ;ヴラース;ボボーク;途方にくれたお顔つき;「ある人物」の半書簡;展覧会に関連して;仮装の人;空想と幻想;ある新しい戯曲について;小景;先生;嘘についての一言;現代的欺瞞のひとつ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らい

6
もうずいぶんと経ってしまったので、メモ程度に覚えていることを。彼の小説に登場する熱を帯びた人たちがそのまま作者と重なっているようにどうしても感じてしまうので、まず「死の家の記録」と同じように、ドストエフスキーの素の文章に違和感を覚える。それだけ彼の小説の人物たちが生きてるってことなのかもしれない。社会評論が多かった。主観の影響も強そうには感じたけど、ねじけてしまったロシアの民衆への愛を強くも感じる。酒に溺れ堕落する純粋さ、そこから真実を渇望する純粋さ、それを熱弁する作者、そんな印象。2023/08/31

そうげん(sougen)

2
書き手の側の想いに引き寄せた文章が多くて、エッセイ、随筆にも近くて、ときに評論のような構図の文章もあって、含蓄に富んだ読み物という印象でした。五大長編は一通り読みました。それでも作家のことが見えるわけではない。かつて小林秀雄全集でドストエフスキーに関する批評を読んだことがあったけれど、そこによく小林さんが、作家の日記の文章を引用してました。これだったのかと思いながら、まずは第一巻を読み終えました。まだまだ先は長いですね。ゆっくり進めてまいります。2021/04/29

KA

1
『悪霊』に寄せられた批判への応答として書かれた「現代的欺瞞の一つ」が素晴らしい。『悪霊』の中心プロットをなす、ニヒリストとして造形される無神論的社会主義者の学生たちとりわけピョートルは、実際に起こった内ゲバ事件の首謀者であるネチャーエフがモデルというのは広く知られている。ドストエフスキー自身がそもそも若かりし頃にペトラシェフスキーサークルという極左組織に属していたことも、作家のファンであるならば当然しっているだろう。(続) 2017/08/12

astrokt2

0
未レビュー2009/05/30

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