ちくま学芸文庫<br> 書物の秩序

ちくま学芸文庫
書物の秩序

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480082725
  • NDC分類 019
  • Cコード C0100

内容説明

中世末から18世紀アンシャン・レジーム期のフランス―手写本から活字本へのドラスティックな移行という「グーテンベルク革命」のなかで、大量のテクストはどのように統御されていったのか。『テクスト』と『モノ=書物』と『読書行為』の三極を結びあわせる新しい秩序創出の課程を、読者共同体の成立、テクスト指名の基本原理としての作者の誕生、さらには普遍的図書館への夢、という視点から記述する。「グーテンベルクの銀河系」終焉に臨む現代から、清新な「読書のプラチック論」をもって起源の物語に迫る、興味尽きない仕事。

目次

第1章 読者共同体
第2章 作者の形象
第3章 壁のない図書館

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatohebi

5
2023/6/18再読。書物は様々な秩序に属している。例えばジャンル、出版社、好きな誰々の作品。本書は読者・作者・図書館という三つの側面について、17・8世紀西洋での歴史を論じたもの。「作者の形象」では、作者という概念がどのように展開してきたかを、フーコーの有名な論文「作者とは何か」への批判的言及を通して論じる。作者には法的な責任者・著作権所有者・オリジナリティの源泉・著作の監督者・テクストの集積を特徴づける指標、など複数の側面があり、それぞれ異なる歴史的経緯から発展しながら絡まり合っている。2015/01/19

うえ

4
読書の研究とは、「セルトーの示唆に従いつつ…紹介してみる…第一は規準となるテクストだろうと、普通のテクストだろうと、それを取り上げて構造、モチーフ、意図を解読することを目指すテクスト分析、第二は書物を含め、書かれたものを担うすべてのモノと形態の歴史的研究、第三はこれらのモノと形態を多様な仕方で占拠したのち、異なる使用法と意味を生産する読書そのものの研究である。…ちなみに筆者は…リクールの用語を借りれば、要するに「テクストの世界」と「読者の世界」との二つの世界がどのように出会うかに注目するのである。」2023/06/17

ああああ

1
固有の規範と約束事とヒエラルキーを備えた特殊な秩序のなかで生産される作品は、この秩序を脱し、時にはきわめて長期にわたって社会的世界を旅して歩き、密度を増していく。 作品を受容する共同体の「文化」(人類学的意味での)を構成する心的・情動的図式に基づいて読み解かれる作品は、ひるがえって、社会的紐帯の構築、個人の主体性、聖に対する関係といった本質的なものを考察する上での貴重な手段となる。2023/05/02

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