出版社内容情報
第五十八「淮南衡山」から「游侠」「滑稽」「日者」「亀策」「貨殖」。さらに第七十「太史公自序」まで。
【解説: 興膳宏 】
内容説明
中国の古典中の古典ともいうべき『史記』の全訳。「列伝」は、みずから歴史に参加し、国家・社会に強い影響を与えた人間たちの行為や言辞を伝える。
目次
淮南衡山列伝第五十八
循史列伝第五十九
汲鄭列伝第六十
儒林列伝第六十一
酷史列伝第六十二
大宛列伝第六十三
游侠列伝第六十四〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かごむし
24
ついに史記全巻読了。古代の聖王の時代からはじまった史記も、最終巻はさながら現代史の感があったので、2000年前の鮮度そのままに、長い中国旅行をしているような気持ちの読書でもあった。中国の文化が、朝鮮を通って、日本にもたらされたことを思えば、自らの根っこについて考える読書でもあり、刺激の多い、厚みのある読書であったと思う。史記の中には、うごめく人間群が社会を形成しており、その中で手を携えたり、争ったりしている。その様が、観念に陥らずにいきいきとしているからこそ、今でも新しいのだろう。奇跡のような本であった。2016/09/14
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
5
ようやく全て読了。滑稽列伝は「道化が王を風刺する」というアレそのものだった。 佞臣列伝では皇帝も美少年を男色していたが、それは現在で言う同性愛ではなく、単なる趣味嗜好の問題なんだろう、たぶんきっとおそらく。 占い師、遊侠、素封家といった歴史上に名をあまり残しそうもない人々も登場し、ある意味でこの8巻は最も面白い。最後は司馬遷の父と司馬遷自身について。その後は著述の動機が要約にもなっているので、それなりに有用。 特別な理由がなければ列伝だけを読むのがおすすめ。全5巻ながら岩波文庫にもある。→続く2021/11/10
ヴィクトリー
3
漢代に入って、法に触れて罪を得て云々、と言う記述が増えるようになったと思ったら、酷吏列伝のような役人が増えるようになったからかと納得。武帝が法を厳しく適用する人物をよく登用したこともあってますますそうなったのであろう。法三章は言い過ぎにしても、漢初の大らかそうな時代とはうって変わって秦代と同じか、ひょっとするとそれ以上に厳しい法治の時代になったような印象を受ける。2014/12/20
BIN
2
やっと史記全巻読了。貨殖列伝を読んでいると、司馬遷は商人の評価が高いなという印象を受けた。日者列伝と亀策列伝は少し面白みにかけるかもしれない。続いて次は漢書を読みます。2012/04/25
やま
1
事情により8巻から。紀伝体なので問題ないと思っていたが、やはり1巻から順に読んだ方が良かったのかも。亀策列伝なんてものがあるのを初めて知った。2015/08/08