内容説明
1936年、若き毛沢東にひきいられた中国紅軍は、1年にわたる長征を終えたばかりだった。この時スノーは、外国人ジャーナリストとしてただ一人中国北西部の紅区に入り、4カ月間かれらと生活を共にし対話した。新しい中国を築こうとする人びとのありのままの姿を行き届いた理解にもとづいて記録した本書は、指導者から無名の少年まで、かられの言葉と行為を世界にはじめて紹介するものとなった。下巻でスノーは、いよいよ紅軍の前線部隊を訪問し、兵士たちの生活と考えをくわしく見聞きする。
目次
紅軍と共に
戦争と平和
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ふたたび白色区域へ
一九四四年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
risako
3
初期の中国共産党に密着取材(?)したジャーナリストのエドガー・スノー。毛沢東よりと言われているらしいが、中共内戦当時、中国共産党が農村部を中心に支持を得ていった経緯とその理由がよくわかる。純粋に中国の近現代史をうかがい知れる歴史本として読んだので、おもしろかった。浅田次郎も中国シリーズを書くときに参考にしたのだろうな、と思うくだりもちらちら入っていて、その点でも興味深かった。2023/04/01
コカブ
1
下巻も共産党礼賛が続き、やや退屈になる。著者が再び国民党支配地域に戻ることでひと段落する。共産党が政権を取った現在となっては、知っているプロパガンダを繰り返されるだけになってしまっているのが残念だ。著者が戻るタイミングで、国民党指導者の蒋介石が督戦のために西安に赴いてきた。これが西安事件につながった。張学良の東北軍と楊虎城の西北軍は赤軍前面にいつつ積極的な戦闘を控えていた。蒋介石は督戦に乗り込むが、クーデターで監禁され、国共合作を約束する。南京の政府は蒋介石を排除した政府を作る動きも見せていた。(続く)2015/07/26