内容説明
公職追放となった鳩山一郎の後を受けて自由党総裁となった吉田茂は、昭和21(1946)年以降5次にわたって内閣を組織する。厳しい占領体制の下、外交の専門家から政治家(ステイツマン)への転身であった。日本国憲法の制定と教育改革・農地改革。傾斜生産方式などの計画的経済政策をドッジ・ラインによる自由主義的経済政策に転換。山積する問題を強いリーダシップによって次々と克服しつつ、復興への模索が続けられた。朝鮮戦争(1950年)の勃発によって、国際情勢は東西対立が顕在化し始めてきた。再軍備のための準備も着々と進められる。そして、いよいよ日本国民の悲願であった講和条約締結という大仕事が遂行される。
目次
組閣
第一次吉田内閣
在野時代
第二次、第三次吉田内閣
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フンフン
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終戦後長期にわたって政権を担当し、アメリカとの講和を成し遂げた総理大臣吉田茂の評伝。新憲法制定や農地改革、労働行政などの苦心が伝わってくる。すぐれた宰相だったと思う。著者は「あとがき」で、松本重治が、吉田の国葬後、「当時、日本のマスコミが、吉田氏の奮闘を評価し得なかった事実だけは、ここに書きとどめていいだろう」と述べたことを紹介している。大衆はスキャンダルを好むから、政府のやることにケチをつけさえすれば、記事は売れるだろうが、歴史の評価に耐えるような記事を書くように心がけるべきだろう。2014/11/21
shrzr
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ぜひ大河の主人公に。2023/09/03