内容説明
ソシュールの言語学から始まり、レヴィ=ストロースの人類学によって現代思想として定着をみた「構造主義」。一方、ディルタイに源を発し、ハイデッガーとガダマーによって20世紀の中心的な哲学思想となった「解釈学」。さて、「構造主義」はいかなる「解釈学」的前提にもとづいて成り立つ思想であるのか。また、逆に「解釈学」はどのような「構造」を内に秘めて成り立つ哲学なのか。加えて、この二つの哲学思想のどちらがより優れた認識なのか。従来、個別に論じられがちだった、この20世紀の二大潮流の連関を見極め、近代科学的な構造認識の意義と限界を検討する。
目次
「構造と解釈」への問い
構造主義の登場
構造主義における構造
構造分析の実例とその帰結
構造主義への批判
近代科学の背景
近代的知の射程
ラッセル批判
ディルタイと解釈学
ハイデッガーの解釈学的現象学〔ほか〕