内容説明
「変化する者だけがあくまで私と親近である」。ニーチェにとって世界は、その本質からして、最高の秩序をおのれ自身のうちから生成する、ある永遠の闘争として現れた。ニーチェの遺稿を整理し、『悲劇の誕生』の初期から、最晩年の未完の構想『権力への意志』にまで通底する、ニーチェ独自の思索を《生成の無垢》として提示する。上巻では、文学的・自叙伝的色彩の強い遺稿の断片群を集積し、ニーチェの新たな側面を開示する。
目次
1 ギリシア人
2 哲学者(芸術と認識)
3 リヒアルト・ヴァーグナー
4 音楽/芸術/文学
5 哲学とその歴史とによせて
6 心理学的な諸考察
7 女性/結婚
8 比喩と形象
9 ニーチェ自身に関して
10 ニーチェ自身の諸著作に関して
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hikarunoir
7
著作に非ず「権力~」より雑多な遺稿集。実著作を読まないと意味不明だろう。アフォリズムのお蔭で時間は最もかかったが読了、次第に永遠回帰が兆す。2024/09/04
roughfractus02
4
編者ボイムラーは著者の遺稿を書物の時間に沿って線状に配置したが、著者の生を何度も繰り返すように編集している。確かに、本巻では自伝的筆致によるギリシャ、芸術、女性、自作について等のテーマで時系列的に諸断片が配置される。が、個々の断片が何度も読む必要のあるアフォリズム形式ゆえに、断片の番号もページ番号も遅々として進まないかに思える。この時過去のデータを想起して今見える言葉に意味を固定するのではなく、断片ごとに変化する意味に出会い、意味から価値へ、認識から解釈へと読み自体が変わっていくことに読者は気づき始める。2017/08/16
いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】
2
**哲学**哲学ネタSFの読解の為読了。感想は下巻でまとめます。2012/12/09