ちくま学芸文庫<br> 日本人の心の歴史〈下〉

ちくま学芸文庫
日本人の心の歴史〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480080547
  • NDC分類 121.02
  • Cコード C0121

内容説明

自然と共に生きてきた日本人の繊細な季節感の変遷を、文芸作品や思想の中にたどり、日本人の心の歴史とその骨格を究明する、創見に富んだ日本精神史。本巻では、西鶴から、禅・儒教の思想などを経て現代に及び、自然・季節を生活から疎外することをもって進歩と考えるにいたった現代文明の傾向を鋭く批判する。

目次

1 西鶴の登場―中世から近世へ
2 禅から儒へ
3 義理と人情
4 道行
5 擬古
6 風雅から実証へ
7 外国人の見た日本の風光・風物
8 東洋的なものと西洋的なものとの葛藤と融和
9 写生
10 現代文明化の自然・季節

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きさらぎ

4
江戸から明治・大正まで。江戸時代の古典の俳諧化、季節の記号化・図式化。安定し規範化した江戸時代に、廓という籠の自由の中、粋に「遊ぶ」町人達がいる一方、規範を外れ心中にまで至る男女がいる。宣長や仁斎・徂徠等の原典回帰から擬古と「こしらえた」風流への流れがあり、またその外から解体新書といった実証主義が芽生えてくる。幕末の記述から「西洋人が見た日本」という外からの眼差しが入り、西洋と東洋との間で様々に葛藤し模索する近代の文学者たちが語られる。実証的でも学術的でもなくあくまで随筆。豊富な素材のあしらいが面白い。2017/08/15

HANA

2
下巻は西鶴から現代まで。上巻で問題にされていた季節への関心は影を潜め、もっぱら人間の内面が問題とされている。江戸時代がひたすら暗黒の時代として書かれているけど、当時としてはこれが限界だろうなあとも思わせられる。明治大正は興味深く読めた。2011/04/20

kota

0
下巻は、中世をこえ近代から現代へ。上巻もそうだったが、日本文芸作品に対する教養がなさすぎて難しかった。大学の文学部はこういうことを学ぶんだろう。徳川幕府時代、政権維持のためにあらゆる掟をつくり、四民(士農工商)の思想や行動を規制した。まさに人を鋳型に入れるようなものである。現代では考えられないことだが(日本の義務教育は人を鋳型にいれるようなものであるという考えもある)、これも日本人の心の歴史の一つだ。2018/10/26

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