出版社内容情報
最新の法改正から判例、いま指摘される高額療養費などの課題まで。
社会保障の全体像をこの一冊で把握する
年金、介護、医療、労災、障害者福祉……現状と展望
私たちはいつ、病気で働けなくなったり、障害を負ったり、会社が倒産して仕事を失ったりするかわからない。個人の努力ではどうしようもない場面に遭遇した時にも健康で文化的な最低限度の生活が維持できるように憲法の生存権を保障する仕組みが社会保障だ。自分の力や家族や地域での支えあいではどうにもならないことが多いからこそ、この仕組みが必要である。では、法律と運用はどうなっているか。生活保護、年金、医療、公衆衛生、介護保険と高齢者福祉、労災保険と雇用保険、子育て支援、障害者福祉、社会保障財源としての消費税など、その仕組みと財政の最新事情から課題まで網羅する一冊。
【目次】
序章 広がる貧困と生存危機
第一章 社会保障とは何か
1 社会保障の発展史
2 社会保障の定義と内容 ── 国民の生存権と国の義務
3 主要5制度 ── 公的扶助、社会保険、社会福祉、社会手当、公衆衛生
第二章 生活保護(公的扶助)
1 生活保護の現状と攻撃されるセーフティネット
2 どのような場合に、生活保護が受けられるのか ── 基本原則と仕組み
3 「健康で文化的な最低限度の生活」の水準とは? ── 保護の基準
4 8つの法定扶助 ── 生活保護の種類と方法
5 権利救済の仕組みと生活保護裁判のゆくえ
6 生活保護と生活困窮者対策の課題
第三章 年金
1 日本の年金制度の仕組みと特徴
2 給付 ── 老齢年金、障害年金、遺族年金
3 年金財政と年金積立金
4 年金改革の展開
5 年金改革の動向とゆくえ
6 安心できる年金制度の確立に向けて
第四章 医療
1 医療保険のあらましと公費負担医療
2 保険給付と診療報酬制度
3 医療保険財政と保険料
4 高齢者医療と特定健診・特定保健指導
5 病院再編・統合、病床規制 ── 医療提供体制のゆくえ
6 医療制度改革の動向と医療の課題
第五章 公衆衛生
1 重要性が再認識された社会保障としての公衆衛生
2 感染症法
3 予防接種法
4 地域保健法と母子保健法、母体保護法
5 精神保健福祉法
6 機能不全を招いた教訓と公衆衛生の課題
第六章 介護保険と高齢者福祉
1 介護保険のあらまし
2 介護保険財政と介護保険料
3 介護保険制度改革の展開
4 利用者からみた介護保険の問題点 ── 負担増と介護の再家族化
5 事業者・介護職からみた介護保険の問題点 ── 介護報酬減と深刻な人手不足
6 介護保険と高齢者福祉の課題 ── 介護保険から安心の介護保障へ
第七章 労災保険と雇用保険
1 労働保険の現状
2 労働保険と保険料
3 労災認定の仕組み
4 労災保険の給付と社会復帰促進等事業