出版社内容情報
日本は資本主義の落第生なのか? 「失われた30年」と呼ばれる停滞の要因をデータで検証。デジタル化や人材投資の必要性を説き、閉塞状況からの脱却を模索する
内容説明
賃金が上がらない。ハンコがないと書類も回せない。停滞から30年も抜け出せない。日本は資本主義の落第生なのか?―新型コロナウイルス感染拡大によって、日本経済の脆弱さが浮き彫りになったが、それはバブル崩壊以降、問題を先送りし続けてきた当然の帰結だ。長期停滞の原因は日本の「アマチュアな資本主義」であるとし、データで検証。さらにデジタル化や人材育成への投資の必要性を説き、日本らしさを活かした非市場的な「豊かさ」への新たなアプローチを模索する。日本経済の閉塞感を打ち破るための一冊。
目次
序章 日本は資本主義の落第生なのか?
1 投資なき長期停滞(なぜコロナ前を容易に超えられなかったのか?;なぜ長期停滞から抜け出せなかったのか?;なぜ「アマチュア資本主義」を続けるのか?)
2 日本経済の選択肢(デジタル化なくして前進なし;人材投資の復権;「アマチュア資本主義」2.0)
著者等紹介
宮川努[ミヤガワツトム]
1956年生まれ。学習院大学教授。東京大学経済学部卒業。一橋大学博士(経済学)。専門はマクロ経済学、国際マクロ経済学、日本経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
2
読んでみて、課長の能力はあるが部長の能力がない人物そしてなぜかその人が役員になっている日本の会社が連想された。ある時期には従来のやり方がハマったけど時間の経過とともに変わらなければならないが、分かっていても出来ない日本の組織と同じだ。日本の未来が暗く感じる。2025/02/11
Go Extreme
1
マチュア資本主義: 現状維持重視 リスク回避 変化への抵抗 積極的な投資不足 特に将来への備え 設備 人材 デジタル 軽視 ムラ社会的構造 内向き 協調性偏重 停滞の要因:バブル崩壊後の構造改革遅延 グローバル化 デジタル化への対応遅れ プロフェッショナル資本主義との対比:合理的判断 長期的視点 積極的投資重視 意識改革:アマチュア気質克服 リスクテイク奨励 投資促進:設備 人材 デジタルへの積極的投資 構造改革:市場機能活用 ムラ社会脱却 豊かさ再定義:GDP偏重脱却 包括的富 社会的共通資本重視2025/04/18
ゼロ投資大学
1
日本経済が長期低迷してきた理由は、日本が「投資」することを怠ってきたからである。設備投資だけでなく、人材やソフトウェアなどの無形資産など、これからより良い商品やサービスを生み出すものへそれほど投資してこなかった。日本経済復興の鍵は、デジタル化にある。人材育成とより良いソフトウェアの開発など、生産性を向上させるためにデジタル技術を活用しなければならない。2025/03/01
yasuhiko
1
本書は日本経済が長く低迷している理由を設備投資の少なさにあると指摘する。特に、日本は「ムラ」社会で、リーダーが調整役にとどまり、新しい挑戦がしにくいという分析には納得させられる。成長にはデジタル化と人材育成が重要だとするが、この点は多くの人が賛成するはずでもう少し具体策が欲しかった。2025/02/13
キンケード&グリーンウェル
0
投資が少なかった結果で今の日本がある。中小企業白書でも指摘しているが、著者の分析を交え論を展開している。全体的に論拠の資料がわかりやすい。人が減るからデジタル化への投資を増やすべきであると言うのはわかるが、ただ量的なものを追求するのではなく質的なものはよく検討すべきと個人的には思う。2025/04/24
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- 和書
- イエスの学校時代