出版社内容情報
基本用語を解説しつつ、存在の問題からアヴィセンナの存在論、存在の一義性、個体化論、普遍論争へと、存在の海をめぐる思想史を丁寧に案内する決定版入門書。
内容説明
未踏の大地だった中世哲学は、二十世紀に入ると忘却の淵から蘇った。歴史的な関心よりも、現代における問題に直結する哲学として光が当てられ、中世論理学が言語哲学への枠組みを提供するなど、非合理でも素朴でもなく、煩瑣で無内容でもない中世哲学の姿が示されるようになってきた。中世哲学への入り口を示し、基本用語への解説を加えつつ存在の問題からアヴィセンナの存在論、存在の一義性、個体化論、普遍論争へと、存在の海をめぐる思想史を丁寧に案内する決定版入門書。
目次
第1章 中世哲学の手前で
第2章 中世哲学の姿
第3章 存在の問題
第4章 存在の一義性への道―第一階梯
第5章 スコトゥスの基本概念についての説明
第6章 存在の一義性―第二階梯
第7章 個体化論の問題
第8章 普遍論争
第9章 中世哲学の結実
終章 中世哲学の構図
著者等紹介
山内志朗[ヤマウチシロウ]
1957年山形県生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。慶應義塾大学名誉教授。専攻は哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
7
サブタイトルには「海」とあるが、広大な底なし沼を垣間見た気になった(笑)。一応、これまでに何冊か中世哲学に関する著作を読んできたので、それなりに理解できるかと思いきや、主に扱われているのが、ドゥンス・スコトゥスというややマイナーな哲学者の思想である上、これまで殆ど聞いたことのない哲学用語や哲学者の名前がこれでもか!というくらいに頻出するのに、つい頭がくらくら(苦笑)。それでも、著者の平易な語り口に惹かれて何とか読了できたが、恐ろしいことに、殆ど理解が叶わなかった本書を今後何度も読み返す気になった(苦笑)。2024/01/25
Iwata Kentaro
7
書店で衝動買い。「入門書」としては酷い出来で、門外漢ガン無視で説明なく人物名や概念をガンガン入れ、逍遥ばかりする文章は説明はしないばかりか突然自分語りまで始め、さんざん仄めかしたオッカムの哲学は巻末に行かないと分からないという。しかし、それはそれとしてなんとも魅力のある本。門外漢は咀嚼も消化も不十分だったが、「中の人」は楽しんだのかもしれない。2023/07/13
Ex libris 毒餃子
7
中世哲学でメインで論じられる「存在」概念について論じている本。「存在」概念を媒にしてさまざまな思想家の論を検討していくスタイル。2023/07/08
いとう・しんご
6
読友さんきっかけ。理解が難しく、半分を過ぎたあたりで放棄しました。おおむねスコトゥスの読解本で、入門とか思想史とかいうつもりで手に取ると、あれれぇ、となる。プンスカ系のレヴューが多いのもなるほど、という感じでした。2023/08/28
takao
4
ふむ2024/05/15
-
- 和書
- みえとコウノトリ