出版社内容情報
なぜ危機を伝える言葉は人々に響かず、平静を呼びかけるメッセージがかえって混乱を招くのか。コミュニケーションの視点からリスクと共に生きるすべを考える。
内容説明
なぜ危機を伝える言葉は人々の心に響かず、平静を呼びかけるメッセージがかえって混乱を招くのか。日々新たなリスクが登場し、その対処に迫られる現代社会にあって、もっとも重要なのはリスクをきちんと伝え、話し合い、共有すること―すなわちリスク・コミュニケーションである。専門家や行政からの一方的な発信でなく、情報公開と透明性に基づく開かれた議論によって初めてリスクは的確に理解され、よりよい社会は可能になる。リスクと共に生きるすべを模索する入門書。
目次
第1章 リスクを知る
第2章 リスクを伝える1 基礎編
第3章 リスクを認知する
第4章 リスクを伝える2 技術編
第5章 リスクを管理する
第6章 リスクについて話し合う
第7章 リスクを共有する
著者等紹介
吉川肇子[キッカワトシコ]
1959年、島根県生まれ。京都大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。京都学園大学法学部専任講師、筑波大学社会工学系講師などを経て、現在は慶應義塾大学商学部教授。専門は組織心理学、社会心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まゆまゆ
14
身の回りに起こりうるリスクについて、リスクコミュニケーションのあり方を様々な事例を参照しながら考えていく内容。伝え方、受け取り方の両方が正しく理解することで初めてコミュニケーションが成り立つ。科学的な根拠だと言われても、そのことをどう評価するかはあくまでも自分。違和感を覚えたら立ち止まって考えることが必要。2022/10/27
totuboy
5
新型コロナが流行してから、わたしたちはリスクをどこまで受け入れることができるのかを否応なしに考えなければいけなくなっている。マスクの必要性やワクチンを接種するかどうかなど。本当は専門家ではない私たち一人一人が考えていかねばならぬことなのに、「国が~」をいう言葉で逃げているような感じもする。そして、そのリスクをどのように人々に伝えていくか。専門家ではない私たちも一人の人間としてどのような生活を送りたいのか真剣に考え、コミュニケーションを取っていく中で落としどころを探っていかねばならないと改めて感じた。2022/06/20
takao
3
リスク・コミュニケーションとクライス・コミュニケーション(非常時対応) 2022/09/08
asumi
2
勉強になりつつ、筆者の考えにその通りだなと思った。2022/09/17
Go Extreme
2
リスクを知る: 身の回りにあふれるリスク リスクの考え方 専門家まかせが失敗を招く 基礎編: リスク・コミュニケーションの誕生 定義する 個人のリスクと社会のリスク リスクを認知する: 集合行動への理解 安全が油断を招く─リスク・ホメオスタシス 技術編: 言葉づかいの選び方 情報を賢く理解 リスクを管理: 企業の印象管理 印象管理の技術 緊急時 情報公開、透明性、信頼 リスクについて話し合う: 集団の意思決定の落とし穴 合意形成 リスクを共有: 拡大するリスク概念 一般人は無知ではない 想定外はなぜ起こる2022/07/03
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