出版社内容情報
「過去は長いが、歴史は短い」
フロイトからマインドフルネスまで、臨床心理学の歴史と展開の百数十年を概観し、現代の心理実践を考えるための一冊。
内容説明
近代心理学が成立した一九世紀末、ウィトマーは臨床心理学雑誌を創刊し、医学と異なる専門領域である臨床心理学の必要性を宣言する。精神分析は臨床心理学にどのような影響を与えたのか、自閉症という概念はどのように変化してきたのか、そして日本の臨床心理学はどのような道をたどってきたのか。臨床心理学の歴史と展開の百数十年を概観し、現代の心理実践を考えるための一冊。
目次
第1章 臨床心理学の成立まで
第2章 成立後の臨床心理学
第3章 臨床心理学の多彩な展開
第4章 臨床心理学の成熟
第5章 臨床心理学の新展開
第6章 日本の臨床心理学史
著者等紹介
サトウタツヤ[サトウタツヤ]
1962年生まれ。立命館大学総合心理学部教授/学部長(24年度まで)。専門は文化心理学、心理学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tolucky1962
10
悪魔時代からルネサンスで魂の考えが変化。宗教改革で自己の概念。カントが心理学は非科学を主張。心理研究は数式化し科学化,宗教から独立。実験心理,構成心理学。ウィトマーの心理学クリニックが臨床心理学の始まり。フロイトの精神分析。ユングのコンプレックス,集合的無意識。パーソンズはカウンセリング。精神障害を環境不適応としたマイヤー。ランクはクラエントと呼ぶ。フロイトの症例報告。セガンの知的障害児教育。ダウンの症児支援。ビネの知的検査。スキナーの認知行動療法。2023/04/23
ひろか
10
臨床心理学徒、はじめての一冊。小史であり、一つの項目は簡単な記載だけだが、こんな本なかったですねー。そのことが、臨床心理というか、心理臨床の過ちだったのではないでしょーかねー2022/05/14
くろねこ
7
心理学の成り立ちから日本の臨床心理学史まで、わかりやすく簡潔に全体の流れや立ち位置を書いてくれています。専門性がある場合はそれこそ立ち位置、他の専門分野との関係を考えるにも良い本と思いました。2023/08/01
Dolphin and Lemon
4
最近臨床心理学に興味を持ち河合隼雄などを読むようになったが、臨床心理全体を概論するような本を読みたくてこの本を手に取った。非常に読みやすくて今後この分野の本を読んでいくときに大きな助けになると感じた。 精神医学と臨床心理学の違いについて対象とする問題に目を向けるのか、その人全体に目を向けるのかの違いであるというのはとてもクリアな説明でわかりやすかった。 全てを頭に入れられたわけでは当然ないけどまた読み返したい。2023/05/05
空白少女
3
ヴントあたりから始まるのかなと思いきや心理学が成立する以前の宗教や哲学の話に触れられており、期待以上に良い本だった。日本における臨床心理学についても初めて知ることが多く、面白くてすぐ読み終わってしまった。2022/12/26