出版社内容情報
アーバニスト=ある専門性を持った都市生活者こそが、今後の魅力ある都市づくりの鍵を握っている。概念の成立と変遷を歴史的に追いかけ、その現代像を描写する。
内容説明
アーバニスト=ある専門性を持った都市生活者こそが、今後の魅力ある都市づくりの鍵を握っている。都市再生の取り組みは、今から四半世紀ほど前に、産業構造の変化や郊外化の極度の進展を経験した世界の先進各国でほぼ同時に始まった。「都市の負債を資産に変える」その担い手がアーバニストである。概念の成立と変遷を歴史的に追いかけるとともに、その現代像を描写し、都市と人の新たな関係を提示する。
目次
第1章 アーバニズムの起源とその展開
第2章 アーバニスト的転回
第3章 都市肯定論者の系譜
第4章 都市空間を通じて、都市の営みを再編する
第5章 地域への眼差しがビジネスを強く、優しくする
第6章 キュレーター、アーティストたちが生み出すアーバニスト像
第7章 アーバニストたちの都市へ
著者等紹介
中島直人[ナカジマナオト]
1976年、東京都生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授。専門は都市計画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鵐窟庵
11
専門家が都市を作るだけでなく、作られた都市を生々と使いこなす活動家や事業人が「アーバニスト」であるとこの本は定義付ける。その歴史はアーバニズムと共に古く、戦前の都市美研究会が始まりで、いかに美しく活気ある都市にしていくか、石川栄耀等の都市計画の専門家も関わり、都市で実践を繰り広げた。戦後に転換期が訪れ、官主導の都市計画に加えて60年代に民主体の住民参加が始まり、現在のまちづくりの萌芽が始まった。やがて現在では都市のハード面は充足し、そこで今後都市をどう使うか、人々の生き方の有り様が都市をより良くしていく。2021/12/13
かんがく
8
まちづくりというテーマは大好きで、出てくる事例も興味をそそられるものが多かったのにあまり入り込めなかった。題材的にもう少し図や写真が多いほうが良かったかもしれない。2022/07/06
takahiroyama3
1
「都市計画の専門家」と「都市に住み、都会の生活を楽しんでいる人」という二つの意味の重なり合うところにいる「アーバニスト」を、歴史と現代の二面から体系的に理解できる一冊。すでに一度出来上がった都市と向き合い、そこに新しい活力をもたらすのは、都市を「つくる」専門家より、暮らしの延長線上に創造的な場所を生み出すアーバニストだという整理はとてもしっくりきました。2022/03/09
さわでぃー
1
まちづくりの捉え方がわかって良い2022/05/16
そうき
1
都市に積極的にかかわる主体としてのアーバニストについて論じるとともに、インタビューなども掲載。プランナー的な関わり方とは必ずしも一致しない都市のアクターに関する考察は興味深い。 Kindleでこういう本読むのは少し難易度高いなと思った。2022/04/06