出版社内容情報
多数の人が介助を必要としている現代日本。だが、大事なことが意外と知られていない。制度の仕組みから、利用の仕方、働き方まで必要なことすべてを語り尽くす。
内容説明
介助を得ることで自らが望む暮らしが可能となる。街で暮らすこともできるようになる。だが、現実は厳しい。数百万もの人が介助を必要としているのに、その担い手がいない。どうすればこの状況をマシにできるのか。介助に関心のある人、既にしている人、利用してみたい人、既に得ていて不具合を感じている人すべてに役立つ話をしていく。重度訪問介護という、公的介護保険ほど知られていないが重要な仕組みも解説。介護の仕事への対価の問題も含めて変えていけると説く希望の書!
目次
序
第1章 ヘルパーをする
第2章 いろんな人がヘルパーをする
第3章 制度を使う
第4章 組織を使う作る
第5章 少し遡り確かめる
第6章 少しだが大きく変える
第7章 無駄に引かず無益に悩まないことができる
第8章 へんな穴に落ちない
第9章 こんな時だから言う、また言う
著者等紹介
立岩真也[タテイワシンヤ]
1960年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古古古古古米そっくりおじさん・寺
77
この立岩真也という学者さんの本を初めて読んだ。なんて素敵な本を出す人なのだろう。迷うようにためらうように良い意見を紡ぐ人。この本は立岩真也入門にふさわしい。この人の本をもっと読みたいと思わされる。こんな言葉を紡ぐ人は珍しい。影響を受けそうな文章家だ。老人介護の本ではなく、障害者の介護(介助)の本なのだが、大いに啓蒙された。ケアマネージャーは介護保険の事しか知らない人があるそうだが、他にも適用できる制度がある事。そして障害者による運動の歴史や、その中で輝く偉人とその著書の紹介。こんな学者さんがいるのか✨。2021/03/31
ネギっ子gen
61
著者急逝の報を受け――。にしても、まだお若いのに……。ネットでは大変お世話になりました。深く哀悼の意を――。街の自宅で障害者が暮らしていくための制度「重度訪問介護」という、公的介護保険ほど知られていないが重要な仕組みを解説した新書。重度訪問~利用者のいるところに出向いて、比較的長い時間付き添って、介助者がその人の指示に従って動くというもの。介助を得ることで自らが望む暮らしが可能となる。だが、現実は厳しい。数百万もの人が介助を必要としているのに、その担い手がいない。どうすればこの状況をマシにできるか……。⇒2023/08/10
恋愛爆弾
16
著者が亡くなって八ヶ月くらい経って、SNS上では車椅子ユーザーへのバッシングが吹き荒れた。どうやら或る車椅子ユーザーの態度が健常者サマのお気に召さなかったらしい。そんな健常者連中などさっさと車椅子で轢き殺してしまえ、と思うが、多勢に無勢である。だが、多勢のバカは概して臆病であるから、たいてい目の前にはいない。目の前の問題への応対においていかなる人であれ人は絶対的に無勢だ。無勢のわれわれは無勢のなかで本書を読む。そして目の前の現実をどうにかする一人の人である。2024/04/21
しじみのさしみ
7
「ヘルパーをしてみたらいいんじゃないかという話」に影響されてすぐにヘルパーの仕事を検索して働けそうなところを見つけました。そうだなあ、やってみたい、と思った。「私がああなったら死ぬと思う」については「「自分は消されて行く側ではないと思っている」あなたはそんなに立派で偉いのかよ。」と力強かった。できるのはそれはいいことだ、どうぞできてくださいよろしく、と立岩さんはここでも言っていた。2025/05/19
kentaro mori
7
極めて明解。●全部は無理でしょ、だから現状通りで仕方がないという、理屈にならない理屈を言って何もしないのではなく、現実を、そう手間暇かけずに、一つずつ、しかし結果として大きく変えていくことは簡単なことであり、するべきことであり、すればいい、そういうことです。2021/03/11
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