出版社内容情報
テーマ、課題、目標と大小問わず「問い」には様々な形がある。では、どの問いにも通用するその考え方とはなにか? その見つけ方・磨き方とあわせて解説する。
内容説明
ロジカルを良しとするのも、ロジカルが良いという考えあってのこと。なぜロジカルであったりエビデンスベースであったりすれば我々は正しいと思ったり、納得できると思ったりするのか。新規事業、起業、地域課題、研究テーマから、働き方、生き方まで!本質に迫る「問い」が持てる。
目次
第1章 「いい問い」とは何か(答えがある問い、答えがない問い;本質と名付けてみる;なぜその問いはあるのか ほか)
第2章 「いい問い」にする方法(いい問いにまで昇華させるには;「問い」が磨かれるとき;自分と世界の矛盾のうちに ほか)
第3章 「いい問い」の見つけ方(消極的アプローチをとる理由;「違和感」と「自覚」;対象の内実と形式 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はとむぎ
16
問い=考え。何故を繰り返し、本質に迫る。最後はただ存在する。自己=全体となる。 良い問いは立てるものではなく、深い内省のなかにある。良い本でした。2024/01/28
しんい
14
同年代の学者さんが書かれた実務に役立つハウツー新書、かと思ったらやはりそんなことはなく、自分の分類では哲学の分野に入りそうな難解な内容。とはいえメッセージはシンプルで、タイトルの「問いの立て方」を「問いを立てるときの心構えと、問いを自分の頭で考える時に注意すべきポイント」とでも読み換えれば個人的にはしっくり来る。自分の業務でもそうだが、何でも「課題解決」に向かわせてしまう現状への疑問提起や警鐘であり(課題解決を否定はしていない)、また対話による学びを重視しながらも、ひとりで考え抜くことの重要性を説く。2021/11/20
まゆまゆ
14
「いい問い」とは本質的な問い。本質的とは「なぜその問いがあるのか」といった根源的な存在についてまで考えられているか。我々は問いを「持って」いるのではなく、問いの内にある。自分で自分を問うこと。考えを考える。この営みが、本当の「考える」ということであり、生きること。哲学的すぎる内容だが、なんとなく理解できた。2021/07/13
遊学の隠居🌊
10
まだ読んでる途中ですが、書きます。 小林秀雄は、学生の講演にて「うまく質問してください」と強調して発言していた。この言葉の背景にはベルクソンと本居宣長などがいたみたいだ。 小林秀雄が影響を受けたベルクソンは「今の物を考えてる人は、うまく問題を出そうとしてない。答えばかり出そうと焦っている。」と述べている。また、本居宣長や中江藤樹は、「取り戻さなければならないのは問いの発明」と考えたらしい。 そんなことを知ってから問いとは何かを調べていたら、この本に出会いました。2024/01/03
またの名
9
「ビジネスパーソンの方には、具体的な方法を書いていないと怒られるかもしれません。哲学の訓練を受けた方からすると、こんなのは哲学とは呼べないと言われるかもしれません」という断り書きにはその通りですねと答える他なく、「分かってくれ!伝わってくれ!とも全く思いません」と開き直るので訂正する余地もない。上野千鶴子の情報生産者本みたいに華麗な図式化が出てくるのを期待してたのは間違ってたけど、根源的な問題(問いを問う的なメタ議論)を扱おうとすると天地開闢の原理から説き起こさないとダメな気がしてしまう衝迫は感じられる。2022/08/30