出版社内容情報
政党が集合離散を繰り返し、政界再編に明け暮れる一方、SEALDsや脱原発運動等の新型の社会運動が注目を集めた。日本政治、激動の三〇年を鋭く描く。
内容説明
冷戦の終焉とともに始まった平成政治。選挙制度改革による政権交代の実現と、自民党一党優位制打破が期待されたが、細川・村山政権や民主党政権に国民が失望する一方で、危機に立たされた自民党は自公連立、小泉改革、安倍政治によって政権の盤石化に成功した。なぜこのような結果になったのか。各政党の動きとその時々の内外の政治課題を巧みに織り交ぜて解説しつつ、SEALDsや脱原発運動、在特会など新しい社会運動の動向にも注目。激動の三〇年を俯瞰する政治史決定版。
目次
一九九〇年代における日本政治の転換
平成の自民党1―竹下登内閣から小泉純一郎内閣まで
日米構造協議と日本異質論
平成の自民党2―第一次安倍晋三内閣から麻生太郎内閣まで
平成の社会運動
原発推進と脱原発
民主党政権
創価学会と公明党
日本共産党
平成の自民党3―第二次安倍内閣以後
平成の日本外交
民進党から立憲民主党へ
著者等紹介
大嶽秀夫[オオタケヒデオ]
1943年生まれ。東北大学名誉教授、京都大学名誉教授。政治過程論、日本政治。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どら猫さとっち
6
平成30年の間、この国の政治はどのようなことを行い、変わっていったのか。本書にその記録が収録されている。自民党が行なってきた政治とその暗部、民主党は政権交代で行なってきたことやどのような変貌を遂げたか。公明党や日本共産党などの今、そして原発、外交などが記されている。そして令和の時代、政治はどのように変化し、取り仕切るのか。本書がその手がかりになればいいと願う。帯にある「日本政治は本当に変わったのか?」については、イエスでありノーでもある。より良い変化を望む僕には、本書に希望を見出したい。2020/08/18
わび
2
端的に言えば、スケッチを寄せ集めたような本という印象。もちろん個々の指摘は鋭いものがあるし、社会運動や公明党・共産党について(それも立派な政治史の一部だ)かなりの紙幅を割いた部分など意義あるものだと思う。ただ、それら各分析は最後まで併置されたままであり、一方で所々大雑把に流されるアンバランスさもあって、通史として読むと割合に不満は残る。さらに、1975年を利益誘導政治から「改革」政治への転機とする見方は慧眼ではあるけども、この視点の導入によって「平成」政治史という枠組も相対化されるのではないか?2020/06/14
takeshi3017
1
平成は30年余り続いたが、この間大きな戦争もなく、平和な世の中だった。もちろん、オウム真理教や9.11といったテロ、東日本大震災などはあったが。令和に入ってからウクライナ戦争やイスラエルパレスチナ問題やトランプ関税などの問題が噴出し、これからの世界はより安定が難しいような予感を抱かせる。平成の始まりは国際的にはソ連解体とベルリンの壁崩壊とそれに続くバブル崩壊後の「失われた20年」によって特徴づけられる。この20年で経済的には停滞期が続き、世界第2位の経済大国と言われていた日本が、米国は勿論中国やインドの→2025/04/07
ミカド
1
平成時代の政治史について政党や外交、日米関係、社会運動等のテーマについて11章に分けて論じている。とりわけ第4章の社会運動についてはネットを通じた右寄りの意見の発信が翌日のデモにつながるなど現代の世相を感じさせる興味深い話であった。テーマが多岐にわたるため、平成の政治史を広く浅く俯瞰できる内容となっている。2020/07/24
ksrgさざめ
0
だいぶ時間をかけて読んだが、わかりやすく勉強になった2022/02/12
-
- 洋書
- Uncle Pirate