内容説明
改革開放の開始から四〇年。いま中国経済は重大な転機を迎えている。アメリカとの貿易戦争と成長の鈍化。習近平や李克強の指導する現政権下では、富強と効率と公正という三つの原理のトリレンマにより、改革が踏み惑っている。今後、中国はさらに飛躍を遂げ、国民統合と社会の安定が進むのか、それとも各種の社会経済的矛盾が激化して社会の混乱や政情不安をもたらすのか。長年にわたって中国経済を見つめてきた著者が、矛盾に満ちた経済発展史と今後進むべき道筋を解説する。
目次
第1章 改革開放四〇年の経済と社会―転換期の構造矛盾
第2章 逡巡する中国の制度改革―富強と効率と公正のトリレンマ
第3章 食品安全と企業文化―市場経済の規範を確立することができるか
第4章 農村改革と農村土地政策―「三農問題」にどう向き合うか
第5章 新疆ウイグル自治区の経済構造―国家と市場と民族共生のトリレンマ
第6章 中国の対外経済戦略と日米中関係―日本にアジア・ビジョンはあるか
著者等紹介
石原享一[イシハラキョウイチ]
1949年鳥取県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。1982年からアジア経済研究所に勤務。その間、在中国日本大使館、香港大学、カリフォルニア大学バークリー校の研究員。1996年から神戸大学大学院教授。2013年から北海商科大学大学院教授。アジア経済研究所名誉研究員。神戸大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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