内容説明
何ものにも依らないユニークな「手摺なき思考」が注目されたアーレント。本書は、全体主義が勃興して消えて行った激動の現代史を考察し続けた彼女の思索の最深部に迫る一書である。哲学、政治、思想という三つの補助線を駆使しながら主要な各作品を詳細に読みとき、時代を超えて屹立する思考の全貌を把握する。悪の問題、世界疎外、経験と思考、…人間の現実を徹底して追究した問題群を、いま改めて問いなおす。
目次
序章 アーレントを論ずるために
第1章 『アウグスティヌスの愛の概念』―哲学という源流
第2章 『ラーエル・ファルンハーゲン』―ユダヤ人問題
第3章 『全体主義の起原』―人間性への軽蔑
第4章 『人間の条件』―政治哲学の伝統
第5章 『革命について』―自由の設立
第6章 『エルサレムのアイヒマン』―悪の凡庸さをめぐる考察
第7章 『精神の生活』―他者とともに生きる
著者等紹介
森分大輔[モリワケダイスケ]
1968年神奈川県生まれ。国際基督教大学大学院行政学研究科修了。成蹊大学大学院法学政治学研究科満期退学(政治学博士)。現在、聖学院大学基礎総合教育部准教授。専門は西洋政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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