出版社内容情報
家格によらず能力と実績でトップに立てた勘定所。財政を支える奉行のアイデアとは。年貢増徴策、新財源探し、禁断の貨幣改鋳、財政積極派と緊縮派の対立……。
内容説明
江戸幕府の財政は、初期の頃からほとんどいつも火の車。お金の問題を切り盛りした勘定奉行だが、財政だけでなく農政、交通、司法など政治機能の多くを担い、寺社奉行・町奉行とともに三奉行の一員として、政治案件の意思決定にも深くかかわった。そんな重要役職にもかかわらず、いや重職だったからこそ、家格でなく実力で、ノンキャリアの叩き上げが奉行にのぼりつめる内部昇進の仕組みもあった。社会・文化の変化・成熟、幕藩体制の揺らぎなど、江戸幕府二七〇年の盛衰を、勘定奉行の業績や素顔から解明かす。
目次
第1章 勘定奉行は幕府の最重要役人
第2章 御家人でも勘定奉行になれる―競争的な昇進制度
第3章 財政危機の始まり―貨幣改鋳をめぐる荻原重秀と新井白石の確執
第4章 行財政改革の取組み―享保期勘定所機構の充実と年貢増徴
第5章 新たな経済財政策の模索―田沼時代の御益追求と山師
第6章 深まる財政危機―文政・天保期の際限なき貨幣改鋳
第7章 財政破綻―開港・外圧・内戦
著者等紹介
藤田覚[フジタサトル]
1946年長野県生まれ。東北大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学文学部教授を経て、東京大学名誉教授。専攻は日本近世史。『近世後期政治史と対外関係』(東京大学出版会)で角川源義賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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