出版社内容情報
石の模様の美しい写真とともに、石に魅了された人たちの数奇な人生や、歴史上の逸話、旅先の話など、国内外のさまざまな物語を語る。
内容説明
草木が中に閉じ込められているようなデンドリティック・アゲート、現実の風景のミニチュアのような絵が石の中にあるパエジナ・ストーン、深い緑色でロシア女帝エカチェリーナ二世を魅了した孔雀石…。この世に無数に存在する石の中には、目を引く美しい模様を持ち、人を不思議な気持にさせるものが多くある。本書は、瑪瑙を中心に、美しい石のカラー写真を多数掲載。さらに、石に魅了された人たちの数奇な人生や歴史上の逸話など、国内外のさまざまな石の物語を語る。
目次
石は描く(フィレンツェの石;縞模様の誘惑;モリソン氏の芸術的なジャスパー;虹を探して;インドの「木の石」)
石は語る(オーストラリアの奇妙な石たち;ドラゴンの卵、亀の石;スコットランドの小石;孔雀石の小箱)
石を追う(花の石;サンダーエッグの女王とその息子;「小さな緑色の怪物」;コロンビアの瑪瑙)
著者等紹介
山田英春[ヤマダヒデハル]
1962年東京生まれ。装丁家。国際基督教大学卒。瑪瑙コレクターとしても世界的に知られる。ウェブサイト「LITHOS GRAPHICS―風景のなかの石、石のなかの風景」でも、世界のさまざまな石を紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
84
石を趣味にする人は少なからずいる。庭石だったり、宝石だったり。鉱石自体に魅力を感じる人もいる。宝石だと原石を削ったり磨いたりして宝石に仕立てる。本書で扱うのは、石を綺麗に割って、その中から現れ出る模様に美を見出すもの。模様が風景に見えるパエジナについては、過日、同氏著の『風景の石 パエジナ 不思議で奇麗な石の本』を読んだ際に紹介した。そのほか、花などの植物だったり抽象芸術を先取りしたような鮮烈なアートだったり。見事としか言いようがない。読むのもいいが、豊富な画像を楽しめるのがいい。2020/11/12
田氏
18
鉱物収集はハマると抜けられない沼だとは聞いていたので手を出さずにいたが、出さなくて本当によかった。瑪瑙収集家の著者は生き馬の目を抜くような取引をくぐり抜けて石を集め、かと思えば外国人誘拐の多発するコロンビアへ石を拾いに飛び、持ち帰った石を自宅にしつらえた切断機で加工する。そうして本書に掲載された石の写真は読者を魅了し、この世界へ引きずり込もうとする。この著者、もはや沼に沈むどころか自身が沼と化してはいないだろうか。私は沼に踏み込む勇気も金もないので、足尾銅山で買った黄銅鉱のクズ石でも眺めていることにする。2018/06/26
ちゃちゃ
15
美しいというよりは、なんか禍禍しいパワーが…。魔除けにしてたのもうなずける。自然の力って凄いね。それに対して、流行るとすぐ掘りつくしてしまう人間は阿呆だなあ。2017/08/10
ネムル
11
贅沢な大人のガチャポン、壮大な地球のガチャポン。2017/09/12
misui
10
半貴石が中心の本でこのように手に取りやすい新書は嬉しい。石のカラー写真とともにどこか奇妙で味わい深いエッセイが並び、自然の造形力の不思議さに胸を打たれる。地球規模のダイナミズムであったり、石に振り回される人々の人生であったり、美麗な石の世界を通して様々なものが見えてくるのがただただ楽しかった。素敵な趣味ですね。2017/07/09