出版社内容情報
近年、日本の安全保障が転機を迎えている。自国の安全をいかに確保すべきかを現実的に考え、日本が選ぶべき道を示す。
加藤 朗[カトウ アキラ]
内容説明
専守防衛に徹し、軍事大国とはならず、非核三原則を堅持する―。戦後一貫して平和国家の道を歩んできた日本。しかし、近年、安倍政権が掲げる「国際協調主義」によって、日本の安全保障が転機を迎えている。本書では、「積極的平和主義」とは何か、安全保障環境がどのように変化したのか、自国の安全をいかに確保すべきか、これらの点を現実的に考え、日本が選ぶべき道を提案する。
目次
序章 日本の平和主義はいかに可能か
第1章 安倍ドクトリンとは何か
第2章 日本の抑止力
第3章 「大国日本」の幻想
第4章 自衛権と憲法
第5章 護憲派の蹉跌
第6章 平和大国ドクトリン
著者等紹介
加藤朗[カトウアキラ]
1951年生まれ。専門は国際政治学、安全保障論。早稲田大学政治経済学部卒業。会社勤務を経て同大学院政治学研究科修士課程に入学。修士課程修了後、防衛庁防衛研究所に入所。現在、桜美林大学リベラルアーツ学群教授および国際学研究所所長。「自衛隊を活かす会」呼びかけ人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
11
軽武装・経済優先の吉田ドクトリンを国是としてきた日本にとって、経済力は軍事力の代替、補完であった。現在、その経済力が低下してきたために吉田ドクトリンの見直しが迫られている。いわゆる安倍ドクトリンがそれである。安倍ドクトリンの目的は集団的自衛権の行使によりこれまで以上に対米貢献を深めて日米同盟を強化し、日米同盟を軸に、豪州、フィリピン、インド等との安全保障関係を強化し集団防衛で対中抑止力を高める事にある。対米貢献を深めるという意味で、安倍ドクトリンの「積極的平和主義」とは「積極的対米貢献主義」に他ならない。2017/02/14
乱読家 護る会支持!
6
昨年11月に出された安全保障論。しかし、その後の北朝鮮危機の現状ではとても本書のような安全保障「論」を読む気にはなれない。日本がどのような憲法を持ち、どのような安全保障論を持っていたとしても、他国は他国の論理で動く。外交努力は必要だが、それは軍事力の背景があってこと交渉できる。他国の現状をしっかりと見つめた上で、どのような軍事力を持つか、どの国とどのような集団的自衛権を構築していくかが、安全保障のキモである。著者のように安全保障「論」をグダグタ言っていたら、いずれ国は滅びる。2017/04/30
sk
6
もはや大国でもない日本が取りうべき安全保障戦略とは何か。それは安倍ドクトリンではなく平和大国ドクトリンである。日本の現実を踏まえ、ありうべき安全保障戦略を提示する。2017/03/05
SK
2
37*今や大国ではなくなった日本。自身の平和ドクトリンをどうしても書きたかったのだろうな。日本の安全保障の歴史についても書かれてはいるが、その前フリのような扱いになっている。最近は、「いわゆる護憲派」を批判しつつ、護憲を語るのがブームなのかなぁ。2017/01/31
裏鬼門
1
今は、日本の南西方面が・・・2021/04/13