出版社内容情報
女は女らしく、男は男らしく。こんな価値観が生き残っているのはなぜか。3つの性別規範が、男女非対称に機能している社会構造を暴く。
山田 昌弘[ヤマダ マサヒロ]
内容説明
女は女らしく、男は男らしく―。旧態依然とした価値観だが、どっこい今も生き残っている。どうしてなのだろうか?性別の「らしさ規範」(女らしさ・男らしさ)が社会から消えないのは、どういう相手を性愛の対象として好きになるかという、人間の「感情」に固く結びつけられているからだ。しかも面倒なことに、性別規範は男女非対称にできている。だから「できる女はモテる」ということにはならない。本書では、社会的な性別機能の身も蓋もない現実を、透徹した視線で分析。男女それぞれの生き難さのカラクリを解剖し、社会構造変化の中でそれがどう変わりうるのかを俯瞰する。
目次
第1章 男と女の関係学
第2章 男らしさ・女らしさとは何か?
第3章 性別規範の機能―社会にどのように利用されているか
第4章 性差別の背景―できる女はモテないか?
第5章 近代社会の構造転換―男女の生き難さの変貌
第6章 ジェンダーの発達理論
第7章 ケアは女の役割か―男が触ると「いやらしい」?
著者等紹介
山田昌弘[ヤマダマサヒロ]
1957年東京都生まれ。1981年東京大学文学部卒。1986年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョンノレン
42
家族社会学者の著者本、少子化対策に引き続き2冊目。モテるための指南本ではなく、ジェンダーの仕事や好意に関わる意識の非対称構造をらしさ、役割分担、性愛志向など多面的に掘り下げていく。冷めた社会学的アプローチで、範疇分けでばっさりには多少違和感も。ただ、この点については著者も認識しており、果敢に枠を越える存在も尊重。"少子化"同様西欧は柔軟にジェンダー非対称に臨み、本邦はやや硬直的で取り分け男性の非正規が割を食う。選挙に行きましょう!2023/11/08
みっくん
34
『出来る男=モテる』『出来る女≠モテる』という男女におけるモテの構造の非対称性を解き明かす。『らしさ』規範に縛られ、男らしい男がモテ、女らしい女がモテる。特に日本はそれが根深い。ナンパ指南書ではありませんでした(使いようによっては。。。w)w2017/01/14
ステビア
25
実にくだらない本だなぁ この人は性選択という言葉を知らないのだろうか2021/10/20
やすらぎ
22
感想を書かずに手放すことにしました✨2020/07/23
まつこ
20
もっと軽い内容かと思いきや、ジェンダーについて真面目に考察した本でした(笑)。「できる男はモテる、しかし女性はできることとモテることは別」というのは、確かに。男性保育士や男性介護士に違和感を感じる理由など、勉強になった。2017/02/27
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