出版社内容情報
幾多の惨禍から何度も再生してきた東京。だが、インフラ未整備の地区は数多い。首都大地震、防災への備え、五輪へ向けた国際都市づくりなど、いま何が必要か?
内容説明
知られざる戦後東京の都市計画の歴史を掘り下げ、その遺産と現在を検証。魅力ある世界都市東京の発展のための道程と政策を明らかにする。
目次
序章 歴史とともに再生する街・東京
第1章 帝都復興と大東京の誕生
第2章 甦る東京―戦災復興の正負の遺産
第3章 “山の手”復興物語―中野、阿佐ヶ谷を復興させた人たち
第4章 神宮外苑と三つの東京オリンピック―一九四〇・一九六四・二〇二〇
第5章 防災まちづくり―来るべき首都地震に備えて
終章 東京の都市政策に何が必要か
著者等紹介
越澤明[コシザワアキラ]
1952年生まれ。東京教育大学附属高校卒、東京大学工学部都市工学科卒、東京大学大学院博士課程修了、工学博士。北海道大学名誉教授、一般財団法人住宅生産振興財団顧問。中央防災会議首都直下地震対策専門調査会委員、国土交通省社会資本整備審議会住宅宅地分科会長、同都市計画歴史的風土分科会長。自治体関係は、江戸東京博物館運営委員会委員、鎌倉市市政功労者、犬山市歴史まちづくり協議会長、美濃市歴史まちづくり協議会長など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネムル
10
場所も時間もあちゃこちゃ飛びまくりで、読者への配慮がこうも欠けた本も珍しい。途中から流し読みで気になるトピックだけ追おうとしたが、挫折。新国立競技場のザハ案に対して、「明治天皇は非白人国で初めて近代化を成し遂げた」立派な元首だから、明治神宮の歴史に配慮した建物作ろうね、って理由はひとまずスルーするも、そもそも都市計画の本と違ったんかい、と。ちなみに同著者の『東京都市計画物語』は良著です。どうしてこんなことに……。2020/10/04
T.Matsumoto
9
東京の都市計画道路行政の歴史が戦前から現代まで述べられていますが、地図もないので、理解できないです。話や地域も飛び飛び。それだけ東京を語るのは、一流の学識者をもってしても難しいのでしょう。2017/08/13
Lila Eule
4
1924年明治神宮外苑の競技場の竣工、返上された1940年東京オリンピック、1964年東京オリンピック、各々の遺産が引き継がれ、また、壊されてきたと。戦前までは志も引き継がれていたが、1964年東京オリンピック用の都市造りは、壊したものが大きかったと。問題は、2020年までになにをするかで、未完成な都市計画を完成に近づける好機と。都市計画の歴史をよくよく踏まえ、防災と少子高齢化対応を視点にやれば、オリンピックにかなう都市なると。固い本と思いきや、近代史と日本人の美徳と弱点を考えさせられる面白い本。2014/11/25
石光 真
3
読みにくい。感情が入りすぎたり、知らない土地は地図もないのだよわかりにくかったり。しかしその情報量は凄い。結論、計画は美しい。無計画は醜くて危険だ。今でも東京でいい感じのところは、何らかの計画の産物だ。2017/05/15
8810mcd
2
本書内の図版に都度(越澤明所蔵)と書いてあるのが鼻につく、という読者もいるかもしれないけれど、著者は後藤新平の帝都復興計画の原図を発見したことでも有名な方。国立競技場問題では1964年の東京オリンピックはしっかりしていた、とマスコミは言っていたけれど、著者によると先のオリンピックではメイン会場と選手村を結ぶ環七を相当程度作ったところで会場を駒沢→神宮外苑、朝霞→代々木に変更するという超ブレブレなことをやったそうで。なーんだ、昔も今も変わらないじゃない、と妙に安心しました。豊洲問題もぐだぐだするんだろうな。2016/09/16