ちくま新書<br> 記憶力の正体―人はなぜ忘れるのか?

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ちくま新書
記憶力の正体―人はなぜ忘れるのか?

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  • サイズ 新書判/ページ数 270p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480067807
  • NDC分類 141.34
  • Cコード C0211

内容説明

記憶力を強くしたい!もの忘れをなくしたい!そのような願望から記憶力を増強させる方法は様々語られてきた。一方、つらい思い出を忘れたい、嫌な経験をなかったことにしたいと、忘却を操作したい思いもある。では、人間はどこまで記憶を操作することができるのだろうか。簡単に試すことができる思い出す訓練から「数字に色がついて見える」といった特殊な能力まで、これまでの多くの実験や研究から見えてきた記憶の不思議に迫っていく。

目次

第1章 「忘れる」とはどういうことか?
第2章 「忘れられない」の正体
第3章 「思い出せない」理由
第4章 記憶は意識を超えていく
第5章 忘れないと覚えられない
第6章 記憶を強くするヒント
終章 忘却を使いこなす

著者等紹介

高橋雅延[タカハシマサノブ]
1958年生まれ。京都教育大学卒業後、京都大学大学院教育学研究科修了。京都大学助手、京都橘大学助教授などを経て、聖心女子大学教授。ハイデルベルク大学(ドイツ)、ビクトリア大学(ニュージーランド)、ルーヴェン大学(ベルギー)、フリンダース大学(オーストラリア)の客員研究員を歴任。専門は認知心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

112
記憶力について心理学的に解説した本。とても解りやすく書かれてるので入門編として最適だと思います。ショッキングな出来事は記憶に残りやすいけれど、逆にショックが強すぎると却ってその出来事を忘れてしまったり、記憶にとどめられなくても無意識に覚えていたりと、人間の記憶力はうまいこと出来てるなぁと感心しました。「覚えること」を何度も繰り返すより、「思い出すこと」を繰り返した方が実は記憶に残ると言うのが驚きでした。なので何か勉強する事があるのなら、問題集を沢山やった方がいいそうです。2016/04/20

おさむ

36
著者は認知心理学者。題名の回答は、人間の記憶とは変容する、ということ。それは過去から未来へ向かって生き続ける存在であるからこそ。自分の存在理由を揺るがすような体験をすると、その意味を考える。そして、記憶は呼び起こされ、組み替えられ、修正されていく。たしかに自らを振り返っても、感じるのは、嫌なことは忘れるか、自分の都合の良いように改変しなければ、人間なんて生きていけないのかもしれません。2019/11/26

seki

35
記憶について実験データなどに基づき書かれた本。記憶力が良すぎるサバン症や数字に色がついて見える共感覚という珍しい事例も紹介され面白い。「記憶を忘れる」とは、人間の中から消えるものではなく、識閾下に潜ってしまうことだという。世の中には記憶力を良くしたいという人がいる一方、辛い記憶を消したいという人もいる。記憶は簡単にコントロールできないが、その記憶との向き合い方を変えることはできると筆者はいう。「記憶」は常に人間につきまとう。本書はこれからの生き方における「記憶」とのつきあい方のヒントを提示しているようだ。2019/12/23

壱萬弐仟縁

31
来週記憶力を試されるので、なんとか記憶を維持しておくべく、秘訣ってあるのかと思い借りた。話し言葉で表現はわかりやすい。しかし、内容は高度だと思う。船と排ガスと雲の絵は、人間の顔のようにも見える(図2、044頁)。多くの感覚にもとづいた記憶は残りやすい(051頁~)。繰り返し話せば忘れない(060頁~)。聴くことも同様に思われるので、ICレコーダーをリピートしていくのは納得(牛山恭範式)。PTSDなど、強烈に嫌な記憶が忘れられないのはいただけない(071頁~)。  2014/08/18

ハイちん

21
【記憶が意識を超えることもある】記憶に関する知見をまとめている。無意識の記憶についての実験が興味深かった。5分前のことを忘れてしまう女性とスタッフが握手をする際、隠し持ったピンを刺した(ひどい実験だ)。後日女性はそのスタッフの顔もピンで刺されたことも忘れていたが、スタッフが握手をしようとすると拒絶した。なぜかと尋ねると「その人がピンを持っていないとは限りませんもの」と言った。意識に上ることだけが記憶ではない。身体に刻まれる記憶もある。そして時に記憶は意識を超えていく。想起不能と忘却は同義ではない。2020/05/22

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