ちくま新書
精選漢詩集―生きる喜びの歌

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  • サイズ 新書判/ページ数 382p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480067784
  • NDC分類 921.4
  • Cコード C0298

出版社内容情報

陶淵明、杜甫、李白、白居易、蘇軾。この五人を中心に、深い感銘を与える詩篇を厳選して紹介。漢詩に結実する東洋の知性と美を総覧する決定的なアンソロジー!

内容説明

中国で、人間の生きる喜びを表現した詩人といえば、六朝の陶淵明、唐の白居易、宋の蘇軾が筆頭にあげられる。唐の二大詩人、杜甫と李白もさまざまな喜びを追求し、名篇が少なくない。本書では、この五人を中心として、現代の読者にも深い感銘を与えてくれる詩篇一七〇首を厳選して紹介。悠久の時間のなかで精妙に錬磨され、漢詩として結実する東洋の叡知と精神の歴史を、たった一冊で総覧する決定的なアンソロジー。

目次

序章 東洋の幸福観
第1章 仕事の喜び
第2章 愛の喜び
第3章 食べて、飲む
第4章 趣味の喜び―音楽、画、書
第5章 四季折々の自然の喜び
第6章 老いの喜び

著者等紹介

下定雅弘[シモサダマサヒロ]
1947年大阪生まれ。京都大学文学部大学院修了。鹿児島大学法文学部助教授、帝塚山学院大学文学部教授を経て、岡山大学大学院社会文化科学研究科(文学系)教授。現在、同大学特任教授(北京・長春事務所長)。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

23
丁寧に解説されているので、意味がわからないことはない。書き下し文もルビがある。陶淵明が農耕の喜びを詠んだ。労働の大切さも説いたのは彼が初めてだという(038頁)。李奎報(イギュボ)は高麗の文官。雨中耕す者を観て書記に贈る、という題名。一国が豊かか貧しいかは民の動きにかかっている(043頁)。杜甫は中国で、犬を人間のように感情を持つ存在と見た初めての詩人(127頁)。白居易は鶴が好き(131頁)。馬は官僚生活で必須の動物(137頁)。白居易は飲食も好きだった(176頁)。とりわけ酒も(181頁)。 2014/08/10

零水亭

5
2015年頃読みました。丁寧な解説で、漢詩の入門書としてオススメです。『新唐詩選』より入り込み易いかも知れません。子供が漢詩に興味示したら、勧めようと思います。 なお、著者の下定先生は白楽天がお好みのようです。2020/12/29

y_u

4
陶淵明、白居易、蘇軾、杜甫、李白など中国歴代の詩人の漢詩を、愛・食・酒・音楽・四季・老いなどのテーマごとに分けて紹介。漢詩の奥深さ、表現の豊かさを知るとともに、各詩人の生きる喜び、死生観も感じることができる。そして酒をテーマにした詩が多いことに新鮮な驚きを覚えた。陶淵明や白居易は朝酒もたしなみ、そのおいしさを称えた詩を残している。漢詩の良さは日本の和歌や俳句に比べて、言葉を尽くして、状況や考えや気持ちを表現しているところにあるとみた。酩酊状態の気持ちよさを言葉でこれまでかというほど表現尽くしていた。2015/06/07

あまえび

0
漢詩というと、国が滅んだ悲しみや、孤独の悲しみなど、悲しい気持ちを糧に生まれるイメージがありましたが、日常の何気ない喜びや自然の美しさから生まれる詩もたくさんあるのだと分かりました。 特に、自然を歌った詩の美しさは格別だと思いました。詩は文字の羅列ですが、ひょっとしたら絵よりも色鮮やかに自然を表現できている芸術品なのではと思います。2022/11/02

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