ちくま新書
現代日本の政策体系―政策の模倣から創造へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 302p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480067104
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0231

内容説明

混迷する現代日本の政治。そのモデルは高度成長期に形成され、今や時代の要請に応え得なくなっている。政治制度の改革はもとより、政策の創造が求められているのである。しかもそれを、総合的な視座の下で行わねばならない。本書は財政赤字や少子高齢化、地域間格差といった、わが国の喫緊の課題を取り上げ、あり得べき政策体系とは何かを論じていく。困難な状況を打開する「政策的構想力」が欠かせぬ現代にあって、必読の書である。

目次

第1章 現代日本における政策像の転換
第2章 政党間競争の共通基盤
第3章 人口変動にどう対応するか
第4章 都市と農山漁村の共存へ
第5章 自然と技術と人間の関係転換―環境・防災政策と新たな産業
第6章 社会的紐帯の変化とその対応―教育・治安・情報通信政策
第7章 政党政治の役割

著者等紹介

飯尾潤[イイオジュン]
1962年神戸市生まれ。東京大学法学部卒業、同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。埼玉大学助教授等を経て、政策研究大学院大学教授。専攻は政治学、現代日本政治論。『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』(中公新書)でサントリー学芸賞、読売・吉野作造賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

13
「こちらを立てればあちらが立たず」的な複雑化した現在「最善の政策」など原理的にありえない、ということを前提に、有効な政策を創造していくための議論の共通の基盤を作ってやろう、という意欲作。実際僕らが普通に仕事をしていても、「事実」「課題設定」「施策」のどこを議論しているのかわからなくなって結局人間関係や好き嫌い的なところで決まっちゃうのは陥りがちな落とし穴。それでもまだ「儲かるか」という共通基盤はあるが、政策論はそれを作り上げるところからがスタート。でも、それが必要だということは決して悪いことじゃない。2013/04/21

tolucky1962

9
1,2章と最終章で政策をどのように作っていくべきか提案している。 最終章では選挙制度と政党のありかたなどを示している。理想的にはこうあるべきとは、いっているがそこまでの具体的道筋は示されていない。政治を行う側が理想を語らなくなって長いためか、現状の政治が機能していないことは分かった。 途中に個別のテーマについても提案しているが、著者もいっているようにどの政策がいいかを示していないこともあり、整理されていない。 2018/10/20

壱萬参仟縁

9
低賃金労働への何らかの政策提起については同感である(059頁)。恐らく、同一労働同一賃金を指摘されたいのだろうが。後では、同一労働均衡賃金(127頁)と指摘している。団塊世代の専業主婦だった人は、1円も保険料取られていないのに、受給している(081頁)。国民年金未納率は4割強で、制度はもたないのでは?(099頁)。第4章は、農山漁村の話。従来からの指摘に留まるか。図表が出てきてもいい。そして、あまり当事者からすれば説得力を感じなかった。総花的に当たり障りのない内容のせいかもしれない。個性的指摘はどこに?2013/06/05

むとうさん

6
日本の政策が「模倣」から「創造」へシフトすべき、を掲げて様々な政策について広く議論した本。総論として、過去の日本は政策が「不足していた」というのは極めてキャッチーなフレーズ。つまり全体の体系を考えずにパッチワークしてよかったし、する必要があった。しかし今は政策の「量」は十分で、中身を変えるべきなのに「追加」する発想から抜け切れてないと。なるほど総論は面白い。ただ各論はもちろん紙面の都合もあるけどちょっとふわっとしすぎかなぁ。もう少し政治学の議論を援用して総論を掘り下げてほしかった。2013/07/26

lilysX

2
日本の課題部分はエッセイだが、政党の在り方の辺りは流石という2022/01/06

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