ちくま新書<br> 日本思想史新論―プラグマティズムからナショナリズムへ

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日本思想史新論―プラグマティズムからナショナリズムへ

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480066541
  • NDC分類 121.5
  • Cコード C0210

出版社内容情報

日本には秘められた実学の系譜があった。『TPP亡国論』で話題の著者が、伊藤仁斎、荻生徂徠、会沢正志斎、福沢諭吉の思想に、日本の危機を克服する戦略を探る。

内容説明

幕末の危機に際して、優れた国家戦略を構想した会沢正志斎。尊王攘夷を唱えつつ、抜本的な内政改革を訴えた彼の『新論』はけっして無謀な排外主義ではなかった。むしろそのプラグマティックで健全なナショナリズムに学ぶべきところは大きい。正志斎の思想の秘められたルーツを伊藤仁斎、荻生徂徠の古学に探り、やがてその実学の精神が福沢諭吉の戦略思想に引き継がれていることを解明。隠された思想の系譜を掘り起こし、現代日本人が求めてやまない国家戦略の封印を解き放つ。

目次

第1章 消された系譜―古学・実学・水戸学(開国イデオロギーの呪縛;開国までの歴史 ほか)
第2章 伊藤仁斎の生の哲学(尊王攘夷論の導火線;解釈学 ほか)
第3章 荻生徂徠の保守思想(徹底したプラグマティスト;方法論 ほか)
第4章 会沢正志斎の自由主義(古学が生んだ戦略家;古学と水戸学 ほか)
第5章 福沢諭吉の尊王攘夷(実学を重んじたナショナリスト;福沢諭吉の国体論 ほか)

著者等紹介

中野剛志[ナカノタケシ]
1971年生まれ。京都大学大学院工学研究科准教授。専門は経済ナショナリズム。東京大学教養学部卒業。エディンバラ大学より博士号取得(社会科学)。経済産業省産業構造課課長補佐を経て現職。イギリス民族学会Nations and Nationalism Prize受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

36
開国とは、合理主義の精神を獲得することでもある(010頁)。合理主義とは、抽象的な原理原則を重視する思考様式(011頁)。井野邊茂雄『新訂維新前史の研究』(020頁)は覚えておきたい。古学とは、江戸時代の儒学の一学派(044頁)。孔子の下学上達とは、日常の経験世界の中に真理を求めて、その中を循環し続けるという営為(068頁)。伊藤仁斎は、人間とは人と人との間柄のことであるという(071頁)。つまり、相互行為、拘留、コミュニケーションの流れが道(076頁)。2016/01/28

おさむ

31
尊王攘夷の思想としか世間には認識されていない水戸学の再評価を目指した論考。司馬遼太郎や丸山真男らによる批判が戦後に浸透したためだが、中野氏は真っ向から反論する。多くの史料を基に水戸学を伝統的な実学主義ととらえる。ちょうど彼の研究テーマの「経済ナショナリズム」にもつながってくる思想とも言える。本著の主役の水戸学者、会沢正志斎は恥ずかしながら知りませんでした。価値ある論考だけに、日本会議やネトウヨなどの勢力に彼の論が悪用されないことを願います。2012年の山本七平賞奨励賞。2019/04/24

さきん

14
普段著者は、西洋思想史から保守やナショナリズム、プログマティズムについて論じているが、今本書は、日本思想史について今まで見過ごしてきた古人の知見を掘り返している。実学に偏り過ぎても、合理主義に偏り過ぎても、精神論に偏り過ぎても、結局は上手くいかないことを説いていて、現在の日本は開国論に裏付けられる合理主義、自由主義に偏り過ぎていることから、ナショナリズムやプログマティズムの重要性について強調していると感じた。2016/03/29

とうゆ

14
江戸時代の尊王攘夷論の背景には、プラグマティズムという哲学的な思想が基礎に置かれていた。しかし実際の攘夷運動では、ナショナリズム感情が暴走し、妄信的なナショナリズムだけが思想として後世に残ってしまった。理性によって一般原理を見つけ出し、その一般原理をイデオロギーとして社会を運営していくというのが合理主義である。しかし、ある原理が時代ごとに通じたり通じなかったりする様に、世の中は変化するものである。揺れ動く世界に対応しようとしたプラグマティズム的な思想が、かつての日本に存在していたことを忘れてはいけない。2014/07/27

大先生

13
面白い!【伊藤仁斎、荻生徂徠の「古学」・会沢正志斎の尊皇攘夷論(後期水戸学)・福沢諭吉の文明論の基礎には、実学という日本の伝統的な「プラグマティズム」があった】とし、戦後通説的地位を占める「開国物語」を破壊し、構造改革・規制緩和路線まで批判しようという野心的な本です。【福沢諭吉は尊皇攘夷論者である】などと一見常識に反する記述がありますが、本書を読めば納得です。【この四人の思想家はプラグマティズムを共有しており、議論に違いが生じているのは彼らが生まれ合わせた「時」「場」「位」の違いによるものに過ぎない】と。2022/04/12

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