出版社内容情報
日本人はなぜ、無宗教と思いこんでいるのか? 神道と仏教がどのように融合し、分離されたか、その歴史をたどることで、日本人の隠された宗教観をあぶり出す。
内容説明
阿修羅像は、なぜ博物館にあったのか?伊勢神宮に、仏教の儀式を行う場所があった?天皇家は、代々仏教を信じていた?…近代以前には、日本人の生活に溶け込み、密接に結びついていた神道と仏教は、「神仏分離」により無理やり引きはがされてしまった。このことは、どんなダメージをもたらし、日本人の信仰にどんな影響を与えたのか。仏教や曼荼羅、神社、寺の姿を丹念に見ることで、その実態を解き明かしていく。
目次
第1章 阿修羅像が愛される理由(阿修羅像の悲劇;興福寺を廃寺に追い込んだ出来事)
第2章 神社こそが浄土なのだ(神と仏とが溶け合う世界;かくして地上に浄土があらわれた)
第3章 密教の示した圧倒的な魅力(なぜ仏像は名前を変えるのか;席捲する密教の信仰;国家も宇宙も支配する密教の力)
第4章 伊勢神宮の正体を見きわめる(山を御神体とする神社;伊勢神宮は古代そのままか)
第5章 近代が創造した伝統宗教(伝統の危うさ;宗教への愛はますます深まっていく)
著者等紹介
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年東京生まれ。宗教学者・作家。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。放送教育開発センター助教授、日本女子大学助教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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