ちくま新書
神も仏も大好きな日本人

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480066404
  • NDC分類 162.1
  • Cコード C0214

出版社内容情報

日本人はなぜ、無宗教と思いこんでいるのか? 神道と仏教がどのように融合し、分離されたか、その歴史をたどることで、日本人の隠された宗教観をあぶり出す。

内容説明

阿修羅像は、なぜ博物館にあったのか?伊勢神宮に、仏教の儀式を行う場所があった?天皇家は、代々仏教を信じていた?…近代以前には、日本人の生活に溶け込み、密接に結びついていた神道と仏教は、「神仏分離」により無理やり引きはがされてしまった。このことは、どんなダメージをもたらし、日本人の信仰にどんな影響を与えたのか。仏教や曼荼羅、神社、寺の姿を丹念に見ることで、その実態を解き明かしていく。

目次

第1章 阿修羅像が愛される理由(阿修羅像の悲劇;興福寺を廃寺に追い込んだ出来事)
第2章 神社こそが浄土なのだ(神と仏とが溶け合う世界;かくして地上に浄土があらわれた)
第3章 密教の示した圧倒的な魅力(なぜ仏像は名前を変えるのか;席捲する密教の信仰;国家も宇宙も支配する密教の力)
第4章 伊勢神宮の正体を見きわめる(山を御神体とする神社;伊勢神宮は古代そのままか)
第5章 近代が創造した伝統宗教(伝統の危うさ;宗教への愛はますます深まっていく)

著者等紹介

島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年東京生まれ。宗教学者・作家。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。放送教育開発センター助教授、日本女子大学助教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒデキ

56
日本人の宗教は、各時代で断絶した仏教、神道、さらに修験道が、知識として認識されて無い中で人々の心にしっかり浸透していたために「無宗教」と思われているということでしょうか? 古代から、支配者が、変わるたびにそれぞれの宗教を都合のいい形に変えてきたが、古代から続く宗教が、それを受け入れてきたということと思って読んでました。 密教を知りたくなりました2023/02/15

紅咲文庫

15
あぁ面白いなぁ。特定の宗教に拠らず見通しよく語られる、こういう教わりかたは楽しい。お寺の中には遠方から呼ばれた神社が建てられ、神社があるその土地の荘厳な佇まいに仏教は浄土を想像させてきた。神道は仏教に取り込まれるのではなく共存してきた。冬至のお祝いをキリストの誕生日としたキリスト教のように、異なる宗教の教えが混じり合うことをシンクレティズム-諸教混淆-と言うそうだが、神仏習合は混じり合っていない。だからこそ明治時代に神仏分離が可能だった。ドイツの教会税というのも初めて知った。→2023/02/26

ステビア

14
レポート用。かなりわかりやすい。2015/01/07

くまきん

9
仏教が我が国に伝来して以来、神道と仏教は深く静かに習合して行った。そしてそれは日本人独特の宗教観を形成する。それを引き裂いた日本の文化大革命は明治の神仏分離でありそれにより生じた廃仏棄釈の運動である。これにより現代日本人の自己は無宗教であると思いながら、神社へ行けば柏手を打ち、寺院に行けば合掌する奇妙な宗教観が形成されるのである。本書はその様な日本における神と仏の関係を、仏像や曼荼羅などの宗教美術や個々の神社と寺院の誕生と消滅の遍歴などを通じて考察している。非常に面白く興味深く読んだ。2017/09/14

ほぺむ

9
感想。神様仏様○○様。ありがたいものはありがたいものとしてまとめ。別に神仏分離されてもお寺で葬られるし神社には行くし。宗教に「教化」されすぎていない一般人はもうこの自然な感覚のままそれを継いでいけば良いと思う(この感覚は得難いものかもしれない)。日本の宗教にはこんな歴史があると認識しておくと神社仏閣史跡古典美術の見方に多様性が得られて良いと思う。2017/08/25

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