内容説明
2010年に急逝した立松和平氏。未完となった本作を、息子・横松心平氏が引き継いで執筆。父子が紡ぐ“鳩摩羅什像”ここに完結!長編仏教小説。
著者等紹介
立松和平[タテマツワヘイ]
作家。1947年、栃木県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。80年『遠雷』で野間文芸新人賞、93年『卵洗い』で坪田譲治文学賞。97年『毒―風聞・田中正造』で毎日出版文化賞を受賞。2007年『道元禅師』で第35回泉鏡花文学賞、08年同作で第5回親鸞賞を受賞。その他多数の著書がある。2010年2月逝去
横松心平[ヨコマツシンペイ]
作家。1972年、東京都生まれ。北海道大学大学院農学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カザリ
39
タイトルに惹かれて読んでしまった。和平、意外に読みやすくて30分で読了。文学作品、小説としては古い感じが否めないのだけれど、読みやすくて、主人公と鳩摩羅什の苦渋、そして周囲からの救済、和解がリンクして、泣けた。面白いとかそういう作品ではないけれど、鳩摩羅什、人類が誇るすごい人だということがわかった。。。次の猫の名前は、、(またかよ)2017/04/09
壹玖
3
当時の鳩摩羅什の生涯と現代のある青年の半生を交互に語る手法も面白かった。はるか昔に釈尊の教えを広く人々に広めようと生涯をかけた鳩摩羅什とその後進がもたらしたお経が、現代で悩み生きる人たちの心を救っているのが、時間を超越した何かに自分も救われるような、そんな気持ちにしてくれる。会ったことなどない鳩摩羅什と繋がっているような気持ちになり、この辺りがあたたかくなる。その人を想うとき、その人はここにいる。2018/07/06
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
0
鳩摩羅什の生涯を書くにあたって破戒の事実をこうもきれいに処理できてしまうということは、さては教本の類に載せるための文章か?と想像したが、巻末の注で大当たりと判明。残念ながら、これは教科書であって、読んで味わう類の本ではない。それでも、長安においての鳩摩羅什の翻訳の進め方などはおもしろかったが。立松和平が生きていて最後まで書き通したなら、こんな本にはならなかったのでは・・?とも思うが、さて、どうかな。2020/04/12