出版社内容情報
金融危機の本質はどこにあるのか。日本は何をすればよいのか。基礎知識から最新理論までをわかりやすく解説した入門書の最新改訂版。
内容説明
金融のビジネス・モデルに大きな変革が求められている今、第一人者が金融を原点から考え直す。情報とは何か、信用はいかに創り出されるのかといった、金融の本質に鋭く切り込み、平明かつ簡潔に解説した定評あるロングセラー『現代の金融入門』を、金融危機の経験を総括すべく全面改訂。アメリカの金融におけるリスク取引の功罪を明らかにし、金融システムの安定に必要な規制・監督の仕組みを考察。あわせて、資産価格バブルと非伝統的な金融政策の効果についても検討する。
目次
第1章 金融取引
第2章 銀行システム
第3章 金融政策と中央銀行
第4章 資産価格とそのバブル
第5章 日本の企業統治
第6章 金融機能の分解と高度化
第7章 金融規制監督
著者等紹介
池尾和人[イケオカズヒト]
1953年京都生まれ。京都大学経済学部卒業。一橋大学大学院修了後、京都大学にて経済学博士号取得。現在、慶応義塾大学経済学部教授。金融論専攻。理論面でのすぐれた業績はもとより、現実の経済問題に対する政策提言などの面での活躍もめざましい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
113
最近の金融界の状況を取り入れながらの金融理論の入門書です。比較的内容のある本で、新書では若干もったいないような感じがします。まあ大学の教養課程の金融論の教科書にはなるのではないかと思われます。このような本を安倍首相や黒田総裁も読みなおした方がいいのではないかと思われます。2016/04/04
vinlandmbit
32
古本屋で購入。金融が全く分からぬ頃、当時学びとさせてもらいました。
中年サラリーマン
22
これぞ本来の新書!内容が濃い。特にマネタリベースの基礎の説明、そしてなぜ昔の銀行業務が立ち行かなくなって現在のデリバティブへと金融業が進路をとってきたのかがわかりやすく説明されていてとても勉強になる。おすすめ。2014/04/27
ふみすむ
19
最近10年間では、サブプライム問題に続いてソブリン危機が起こり、中国バブルが弾けるなどの金融恐慌が相次いだ。今年の夏にはトヨタが元本完全保証の新型株を発行した。金融の事情は常に様変わりしており、「新版」の本書は、旧版が「現代の金融」ではなくなってしまったために大改訂を経て発刊されたようだ。具体例を挙げて解説するというよりは、本質的な事項を論理的に説明するというスタイルをとっているため、なかなか読むのに骨が折れた。身を入れて金融を学び始めたい人には文句なしの入門書となっているように思う。2015/11/18
かんがく
13
聞き覚えのない単語が次々に出てくるのでかなり難しい。政府と銀行によって管理してきた1980年頃までとは違い、現在は銀行以外の金融機関の増加や、IT技術の発展によって金融界が複雑化してきて、従来の日本型企業統治も変化してきているということがわかった。序盤の金融や銀行については何とか理解できたが、後半の複雑な取引の話になるとついていけないところもあったため、銀行以外の金融についても学んでいきたい。2019/02/07