出版社内容情報
漢字の原型である甲骨文字は、どんな世界・どんな社会・どんな精神によって生み出されたのだろうか? その成り立ちや読み方を解説しながら、古代文明の姿を覗く。
内容説明
現代われわれが使用している漢字は、古代中国で生まれた甲骨文字を直接継承している。では、その文字は、どんな世界・どんな社会・どんな信仰において書き記されたのだろうか?甲骨文字の成り立ちや読み方を解説しながら、古代文明の姿を覗く。日本語で読める甲骨文字&殷王朝史の最先端の研究を紹介。
目次
第1部 甲骨文字とはなにか(甲骨文字が語るもの;甲骨文字を読む)
第2部 文明と社会(自然と文明;神と祭祀;王と権力)
第3部 殷王朝の歴史(王の系譜;殷から周へ)
著者等紹介
落合淳思[オチアイアツシ]
1974年生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程修了。同大学非常勤講師。専門は甲骨文字と殷代史。統計的手法などもまじえながら、歴史資料としての甲骨文字を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぬのさと@灯れ松明の火
2
読んだのに登録していなかったので。初版からもう何年もたっているので、亀は修正されたのでしょうか……。2019/03/05
ドミニク
1
★★★☆☆松岡正剛が白川静を絶賛しているから凄いんだと信じていたが、語学・文学の研究者の間では白川説の評判は良くない。つまり証明できないから。ただ、白川さんは壮大な大系を作ったから、その内部でなら証明はできる。そういう意味では折口信夫に近いところがあって、魅力的で大いに参考になることは事実なのだが、眉につばしながら読まないと足下をすくわれかねない。国文学・民俗学では折口以降優れた研究者は陸続と登場したが、漢字研究はこの落合さんを俟たねばならなかった。まだ仮説の段階かも知れないが、今後も注目していきたい。2016/08/12
kawasaki
1
著者の『殷 中国史最古の王朝』(中公新書、2015年)既読、古本屋で見かけ購入。『殷』とも重なる記述も多いが、文字に重点。ナマの甲骨文字の図版紹介(とその読解・読み下し)が非常に多く、大変魅力的。『殷』を読んだ際には「出典」の多くが自論文というのに少々大丈夫かなとも思ったのだが、著者曰く殷代政治史の研究者自体が少なく研究も盛んではないとのこと。本書では先行研究者の論もいろいろ引いて検討しているが、あまりに偉大な先行研究者たちの足跡を踏まえつつ、さらに前へ進もうとする著者の孤軍奮闘といった姿も浮かび上がる。2015/11/24
石
0
甲骨文字は中国語なのだから、返点を打って日本語として読むのは違和感がある。とはいえ、漢文の日本語として読む際の作法を教えられる機会はなかったので、良い機会だったとは思う、 また、甲骨文字に残るのは、占いの対象になったことだけなのだから、甲骨文字資料がないから、そんな事実はなかった、後世の創作だ、とは言えないだろう。2024/02/15
hr
0
図書館本。序で大仰な決意表明みたいなのが出て心配になったが、殷周に関する諸々をスッキリさせてくれる佳作であった。暦についての部分が面白い。参考文献を眺めながら、自分でも手を出せそうなものを探してみる。2022/09/25