ちくま新書
医療再生は可能か

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480064226
  • NDC分類 498.13
  • Cコード C0247

内容説明

いまや瀕死にあえぐ日本の医療制度。少子・高齢化で膨らむ医療費を抑制しようと制度改革を繰り出す政府、薄利多売の過重労働から病院を逃げ出す医師たち、必要な医療が受けられず難民化する患者、払えなくなった保険料を放棄する国民。日本の医療システムを救う道はあるのだろうか。本書では、現実と乖離してしまったシステムの問題点を整理、もっと効率よく質の高い医療を実現するにはどうしたらいいのか、主に「医療費」の側面から提言する。

目次

第1部 誰も幸せにならない医療システム(医師不足のからくり;努力する者が報われない日本の診療報酬;国は一体何をしているのか;医療格差の現状と課題;患者が日本の病院を見捨てる日)
第2部 健全な医療財政のための提言(公的医療保険でどこまで面倒を見るのか;後期高齢者医療制度に必要な三つのヒント;まだまだ医療費は削減できる!?;医療の「見える化」をめざして)

著者等紹介

川渕孝一[カワブチコウイチ]
1959年富山県生まれ。一橋大学商学部卒業。シカゴ大学経営大学院修士課程修了(MBA)。民間病院・企業勤務の後、旧厚生省国立医療・病院管理研究所(現・国立保健医療科学院)勤務、日本福祉大学経済学部教授、日医総研主席研究員、経済産業研究所ファカルティフェローなどを経て、東京医科歯科大学大学院教授。スタンフォード大学客員研究員兼務。専門は、医療経済学、医療政策、医業経営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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佐島楓

14
提言の性格が強い新書。予防医療の推進とデータの電子化には賛成。次の政権の方針はどうなるか、これを書いている時点ではまったく見えず不安。2012/12/17

もくもく

3
正直に言うと「再生医療」の関連書だと思って手に入れた一冊だったんです。(^o^) それはそれとして、本書も興味深く読了しました。本書で呈示された日本の医療が抱える諸処の問題は、「中の人」としても危機感を抱くものの、各所の事情が根深く複雑に絡んでいることもよくわかり、一朝一夕で解決ができないことにただ暗澹とするのでありました。本書の初版が2008年…十年を経ても「医療再生」が果たされたとはとても言えないのが現状であると感じています。(T_T)2017/05/07

カイ

2
医療崩壊の根源である医療費の問題を中心に書かれた一冊。今のままでは医療は負のサイクルを辿る一方であるのに、効果的な政策を打ち出せていないままの日本。医療を「商品」とするか「サービス」とするのかさえあいまいなままである。 医療の問題は育児や労働、教育、経済などさまざまな問題と関連しており、もっと勉強しないと本質は見えてこないように感じた。2013/04/08

huyukawa

0
制度やシステムは規模が大きくなればなるほど、細分化され、全体が見通せなくなる。さらに細分化された断片が大きくなり、状況がかわっても変化に対応ができなくなる。「医療」だけで解決することはもう無理だろう。しかしながら、国の動きは鈍い。4月に医療保険の改正があったが、医療費を削減するという意思だけが伝わってくる。これからはある程度の自助と、医療崩壊に対する覚悟が必要になると考える。2016/05/15

Naota_t

0
「あとがき」にあるように、不妊治療も保険の適用内にすれば、財源を確保することができるかぎり、日本の少子化も抑え、働く女性のワークライフバランスも向上するいい案だと思いました。───目を転じれば、地球温暖化に伴う食糧危機という予想外の現象が発生して、農林水産省の減反政策も迷走を続けている。だが、一度休耕にした田んぼを再生するのは並大抵のことではない。加速度的に高齢化社会に向かっているなか、療養病床も然りだろう。であれば、患者も病院経営者も最終的には「わが身は自分で守る」しかないのかもしれない。(p.160)2015/09/11

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