内容説明
残忍な殺人をいともたやすく遂行する。有力政治家を操り、ときの首相ですら思いのまま。武器・臓器売買、マネー・ロンダリング、恐喝、高利貸し…などで、国家予算なみの金を動かす。フリーメーソンやアメリカ諜報機関、さらにはローマ教皇との太いパイプさえもつと言われる「イタリア・マフィア」。その陰惨を極める事件の数々から彼らの血の掟、ゴッドファーザーの冷酷な素顔まで―。“世界の黒幕”の実像に迫る。
目次
第1章 マフィアの組織構造
第2章 英雄か殉教か
第3章 マフィアに激震が走る
第4章 史上最大の裁判
第5章 マフィアとバチカンの金融スキャンダル
第6章 マフィアとベルルスコーニ政権
著者等紹介
ピエルサンティ,シルヴィオ[ピエルサンティ,シルヴィオ][Piersanti,Silvio]
1935年ローマ生まれ。ローマのサンタチェチリア音楽院ピアノ、作曲科卒業。その後、イタリアジャーナリスト国家試験に合格し、AP通信社に勤め、イタリア支局長となる。フリーに転向後、英、米、仏、独、日本など各国の報道機関の特派員として活動
朝田今日子[アサダキョウコ]
1975年東京生まれ。20歳の時イタリアに渡る。ピエルサンティの記事の著作、翻訳に携わる一方で、料理を中心としたイタリア生活のエッセイを書く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
163
イタリア・マフィアのルポルタージュ。最高幹部を含めたマフィアの成員から、それに関わる政治家、果ては聖職者にいたるまで、すべて実名で書かれている。こんなことまで書いて大丈夫なんだろうかと、著者のピエルサンティのことが心配になるほど。また、これがマフィアの実態なのだとすれば(あまりのことに、そのままは信じにくいほど)、映画『ゴッド・ファーザー』描くコルレオーネ一家が、大人しく紳士的にさえ見えかねない。彼らマフィアに戦いを挑む警官や司法官は実に立派で健気だ。もっとも、彼らの大半は死を迎えねばならなかったのだが。2014/05/14
kinkin
38
血で血を洗うとはまさにこの組織のことだ。政界、財界にも根深く入り込み莫大な利益を得ている。この組織に悠然と立ち向かった警察や検察も、イタリア・マフィアに冷酷かつ残忍な報復に遭う。日本のヤクザ社会とは比べものにならない巨大な組織であることは間違いなさそうだ。本書にバチカンとの関係も書かれていて世界で最も堅固で秘密要素の多い国立銀行が、組織の裏金の洗浄(マネー・ロンダリング)にも関わっているという記述には驚かされた。まさに「仁義なき戦い」だ。2014/05/16
たー
24
ゴッドファーザーの世界なんてまだ生ぬるい凄惨な現実…恐ろしい。2012/09/09
aisu
23
イタリア映画祭で「マフィアは夏にしか殺らない」を見た。主人公等は創作だと思うが、映画は殉職した実在の人々に捧げられていた。この本に書かれている内容と同じだ。現実なんだ〜。2014/07/22
超運河 良
22
政治とビジネスは一心同体。利権というのは予め権力を持ってる組織と政治が癒着をして巨額の利益を得ていく。権力とは組織の規模よりも組織内にいる人財が一人一人が影響力のある人たちの集団になることで政治とビジネスと巨額の利益を操ることが出来る!政治に対し大きな影響力が出ると元政治家など影響力のある人財を受け入れてさらなる権力拡大によってあらゆる利権が手のひらに乗ってくるように簡単に取れる!いつの時代もビジネスと政治は癒着して大きくなっていく!影響力とは目に見えない最高の力でもある!2015/11/02