出版社内容情報
脳の特質は、不確実性に満ちた世界との交渉のなかで得た体験を整理し、新しい知恵を生む働きにある。この科学的知見をベースに上手に生きるための処方箋を示す。
内容説明
おびただしい量の情報やモノに囲まれ、脳が悲鳴をあげている。現代人が、より賢明に清々しく生きるためには、脳をどのように使いこなせばよいだろうか?その鍵は、森羅万象とのかかわりのなかで直面する不確実な体験を整理し、新しい知恵を生み出す脳の働きにある。本書では、最新の科学的知見をベースに、「ひらめきを鍛える」「幸運をつかむ」「他人とうまくつき合う」「チャレンジする勇気をもつ」など切実な課題にも役立つ、脳の本質に即した「生きるヒント」をキッパリ教えます。
目次
第1章 脳は体験を整理し、知を創造する
第2章 生きて死ぬ人間の知恵
第3章 不確実な時代こそ脳が生きる
第4章 偶有性が脳を鍛える
第5章 偶然の幸運をつかむ脳の使い方
第6章 「自分」を離れて世界を見つめる
第7章 「他人」との関係から脳が育むもの
第8章 主語を入れ替えて考える
第9章 脳に勇気を植えつける
第10章 「脳」整理法ふたたび
著者等紹介
茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年東京都生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京工業大学大学院客員助教授。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専攻は脳科学
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akira
23
久しぶりの新書。 脳の働きを医学的見地ではなく、科学的見地からアプローチする。様々な事象から導き出される説明は、興味深かった。 人生は、半ば偶然的にそして半ば必然的に起こるような出来事、すなわち偶有性をはらむような事象によって構成される。とりわけ、自身以外の他者はそのような振る舞いをするが、それが脳にとっては良いとのこと。いつも同じではあきるが、いつもよく分からないだけでも困る。 視点。行動。受け止め方。傾向としては知っておくこと。 「脳は、外界からの情報の入力がなければ、うまく働くことができません」2014/01/15
B.J.
11
●確実に不幸になる方法は沢山あるが、確実に幸福になることのできる方法はない。 ●整理術こそ現代の、読み書きそろばん :そもそも知識を「所有」することの意味は徐徐に小さくなってきている。知識は必要に応じて参照すればよい。情報そのものが欠乏していて、それを所有すること自体に意義があった時代は去り、むしろ溢れる情報を自らのセンスに従って「整理」する必要性が高まってきた。・・・本文より 2020/02/22
ペペ
8
何かを「発見」したりするよりも、すでに世の中に流通しているものを「整理」することが大事であると学んだ。偶有性という考え方は初めて聞いたが面白いと思った。2016/11/22
T坊主
4
書名に期待して読んだが、期待を裏切る本だった。ざっと読んだ。只”行動””気ずき”、"受容”が”偶然を必然にする”これを活かす準備が出来ているか、或いは事後にそれを活かす事ができるか。2010/11/30
はすのこ
3
我々は偶有性の塊だからこそ、面白い。個性が脳から見たら欠点であることも面白い。脳は奥が深い。2015/12/27