ちくま新書
日本のムスリム社会

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  • サイズ 新書判/ページ数 233p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480061201
  • NDC分類 167
  • Cコード C0236

内容説明

バブルの頃、日本に出稼ぎにきたパキスタン人、バングラデシュ人、イラン人などの姿が注目を集めたが、それから十数年たった現在、日本のあちこちに小さなモスクが誕生してきている。定住をはじめた外国人ムスリム(イスラーム教徒)たちが、なけなしの給料から費用を捻出して建てた、念願の「祈りの場」だ。日本という異教の地で、イスラームの規範にのっとった生活をしようと、彼らは模索を続けている。いつのまにか、私たちの新しい隣人となったムスリムたち。フィールドワークを駆使しながら、その全体像を初めて明らかにする。

目次

序章 モスクのある風景
1章 外国人ムスリムの増加
2章 日本で働く・学ぶ
3章 故郷の事情
4章 祈りの場を求めて
5章 宗教行事
6章 ムスリムとして生きる
7章 日本社会とイスラーム

著者等紹介

桜井啓子[サクライケイコ]
学習院女子大学教授。1982年、上智大学文学部卒業。1991年、同大学外国語学研究科国際関係論専攻博士課程修了。博士(国際関係論)。明治学院大学国際平和研究所研究員、学習院女子大学助教授を経て、現在に至る。専攻は比較社会学、地域研究(イラン)。著書に『現代イラン―神の国の変貌』(岩波新書、2001年、第13回アジア太平洋賞特別賞)などがある
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感想・レビュー

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Ryo Hirao

8
卒論のための参考として勧められ読む。現代日本社会のムスリムの国籍や職業からみる実相、動向と出身先として割合の大きい国々の人々の生活、また、日本社会とイスラーム文化の間の障壁について。前半は論文構成の手本にもできそうで、もっと早くに読んでおくべきだった。2015/05/17

るすみら

5
比較社会学、イラン地域研究が専門の著者が、国内に点在する小さいモスクに足を運んだ事がきっかけで出来上がった本。散漫な印象もあるが、日本のムスリム社会の全体像を映し出せていると思う。東京・代々木のモスクの歴史には驚いた。1930年代、政府と軍部は南洋や大陸への侵略のため、現地ムスリムへの宣撫工作を進めていた。その絡みで1938年、陸軍や右翼結社、財界などの後押しを得、代々木モスクが完成したらしい。様々な思惑が交叉し、敗戦と共に日本人には影の薄くなったそのモスクは、2000年トルコ宗務庁の監修下で再建された。2009/05/19

4
在日ムスリムの研究書。多文化排斥が強い日本社会では彼らの宗教社会を維持するのはかなり難しい。現在、少しずつだが日本も変化しており、都心のデパートでは宗教用具や宗教食品を取り扱う店舗も増え、モスクの数も急増した。しかし、「在日外国人」と「日本人」との壁を取り除くことは難しい。戦後の欧米中心主義でイスラム教に対する理解が抜け落ちているのに加え、中東テロリズム対欧米の図式がますますムスリムと日本人を遠いものとしている。陳腐な言葉だが「双方の理解と歩み寄り」の道を模索することが必要なのではないだろうか。2011/08/15

抹茶ケーキ

1
日本でムスリムはどのように生活しているか。幅広いテーマを色々な角度から捉えているので参考になった。もう少しケーススタディみたいなものがあったらもっとも面白かったのかも。宗教と習慣と受容の問題はどうやっても解決しにくい問題なんだろうなと読んでて思った。2016/04/15

牛タン

1
80年代~のパキスタン、バングラ、イラン、インドネシアのムスリム移民問題について論じられた前半部分は興味深く読めた。特に新書でこの分野について書かれた本は多くないので、その意味で価値ある本だと思った。後半では徐々に日本でムスリムとして生きること、日本でのイスラームの歴史など、より一般的な問題へと移り変わっていくが、こちらでは特に新鮮味のない、日本人向けのよくある「イスラーム擁護論」的なものが論じられている。2015/07/09

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