ちくま新書<br> 現代ロシアを読み解く―社会主義から「中世社会」へ

ちくま新書
現代ロシアを読み解く―社会主義から「中世社会」へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480059345
  • NDC分類 312.38
  • Cコード C0222

内容説明

エリツィン前大統領はテレビでの引退声明で、「ロシアは社会主義国から一足飛びに文明国になれると考えたが、われわれはあまりにも素朴であった、問題は考えていたよりもはるかに複雑だった」と涙ながらに国民に謝罪した。1991年にソ連体制が崩壊して十年あまり、ロシアには市民社会とは異なる、現代の「中世国家」が生まれてしまった。ロシア社会の本質は何なのか。プーチン大統領はこのロシアをどうしようとしているのか。日本とロシアの比較という視点から、日本人にしか見えない独自の切り口で、ロシアとその歴史を根本的に見直す。

目次

第1章 松山ロシア捕虜カルチャー・ショック(性悪説社会と性善説社会;日本人の畜生め!日本を開国させたペリー提督の奴め!)
第2章 二〇世紀ロシアをどう見るか(二〇世紀初頭からロシア革命まで;戦時共産主義からネップ、スターリン時代へ;他の選択肢はなかったか)
第3章 ペレストロイカからプーチン時代へ(ペレストロイカの意味するのもの;エリツィン時代からプーチン時代へ)
第4章 中世社会ロシア(国家に代わる秩序維持機関;ロシアと封建体制の問題をめぐって;中世社会における生活の智恵)
第5章 ロシアに対する日本的アプローチ

著者等紹介

袴田茂樹[ハカマダシゲキ]
広島県出身。生まれは1944年大阪府。67年東京大学文学部哲学科卒業。同年モスクワ国立大学大学院に留学、72年修了。77年東京大学大学院国際関係論博士課程満期退学。プリンストン大学客員研究員、東京大学大学院客員教授を歴任。現在、青山学院大学国際政治経済学部教授。現代ロシア論、日露問題の専門家として内外に知られるが、その視点の背後には歴史・文学・哲学・芸術分野への深い関心と幅広いロシア人脈がある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Fumi Kawahara

5
これを読んで、プーチンさんの「NATOがー!NATOがー!」という被害者意識満載の恨み節が、「超巨大な韓国・・・」と思ってしまったし、TVのインタビューでのウクライナ人が答えていた「ストーカーみたい」というコメントを見て、やっぱり「超巨大な韓国・・・」と思ってしまったよね('ω')。不信社会と権力界隈あたりでは、こりゃ、中国エリートと話が合うハズだわと思ったけど、残念ながら、ロシア君がそうであるように、中国君もまた、友人としてはあてにしてはしてはいけない国だと思うんだけど。2022/03/01

スズツキ

5
ロシア系の新書で非常に有名な1冊。どこか達観した様相のロシア的世界観の分析が見事。これでプーチンへの眼差しも理解できます。2016/09/08

y_nagaura

4
現代につながるロシア社会の問題点を、封建制社会の経験有無から論じる。分かりやすくて説得力がある。2002年に刊行された当時は、米露の蜜月が見られたようだが、ここで著者はその国民性の観点から疑問を呈している。ウクライナ侵攻とその原因ともされるNATO拡大で悪化した現在の観点で見ても齟齬はない。欧米諸国や我が国だけでなく、中国等との比較も。2024/02/04

無重力蜜柑

4
古本屋で安く売られてたから買ったが酷かった。今世紀初頭あたりに書かれた本で、エリツィン時代の大混乱からプーチンの「法の独裁」に至る流れをロシア人の伝統的な「無秩序志向」から説明しようとする。「ロシア人的」「日本的」「百姓的」というような雑な語りが無責任にポンポンと飛び出す本で、エビデンスも著者個人の体験や資料の雑な抜粋なのでダメ。まあそれこそ「肩を抜いて読む本」ということなのだろうけど。2021/05/08

うえ

3
「宗教か共産主義かナショナリズムか、何らかのセメントを注入しないと…何らかの権威主義的要素を相当期間受け入れないと、ロシアは安定しないし市場経済もまともに機能しない…ロシア国民がプーチン政権に望んでいることは、極端に言えば二つだけである。ひとつは、どのような手段でも構わないから、しっかりとして社会秩序、法秩序を確立して犯罪や汚職への対策をとること、もう一つは混乱した犯罪経済を立て直して、庶民がまっとうな生活ができるようにしてくれることだ。ロシア民衆が望んでいるのは、第一義的には民主主義でも自由でもない」2025/05/07

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