内容説明
「自分が死んでしまったら、あとは野となれ山となれ。そんなことにワシャ興味がない」そう言ってた人が死んだらば、たいした遺産じゃないのに兄弟で大揉め。親が死んではじめて気づく―自分の死後は大丈夫?心配になったら遺言状を書いてみよう。漠たる不安は軽くなり、明日を生きる元気も湧いてくる。ご存知キムラ弁護士が、遺言初歩の初歩から、「葬儀をせずに散骨したい」「ネコに年金をあげたい」という願いまで、あなたの切実な相談に、わかりやすくお答えします。
目次
序章 遺言状―なんのために
第1章 この人たちの遺言状
第2章 いろいろな遺言状
第3章 遺言状のキキメ
ちょっと短い終章 自分にどう書かせるか
著者等紹介
木村晋介[キムラシンスケ]
1945年長崎県生まれ。中央大学法学部卒業。1970年弁護士開業。消費者問題、環境問題、プライバシー問題などに深くかかわり、著作やテレビ・ラジオ出演などに幅広く活動。著書に『二十歳の法律ガイド』『六十歳の法律ガイド』(有斐閣、共著)、『僕の考えた死の準備』(法研)、『ネコのために遺言を書くとすれば』(本の雑誌社)、『キムラ弁護士の友情原論』(角川文庫)など
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SOHSA
15
法律の実務家としての立場から相続と遺言、遺言状の書き方についての解説。年齢的にもそろそろ先が見えてきた私自身、すでに他人事ではないような気に。でも、よく考えてみると、そもそも相続財産などほとんどないので問題ないかとひとりごちた。2013/08/12
Teppei Tsujiyama
11
新書なので法律の改訂に応対してないのは残念。ただ、後書きにあった、お客様の本当のニーズは納得。遺言書、自分の終末を想定することは楽しい、心が楽になることだと、伝えたいのが良く分かる。2015/02/24
B.J.
7
●もめごとのおこる確率が高いのは、子供たちのうちの誰かが、亡くなった父母の名義の家に同 居していた、というケース。 ●「泣く泣くも 良い方を取る 形見わけ」古くからの川柳。 ●相続人に遺産を渡す場合の一番ベストの表現は、ほとんど必ず「相続させる」で結んでいる。相続させると遺言状に書いておけば、その遺産が不動産の場合、その遺言を登記所(法務局)に持ち込んで、誰の手も借りず、直接その遺言状にもとづく所有権移転登記が出来てしまう。▼贈する・贈与するなとどあると、相続人全員の判(印証付実印)が必要。 ・・本文より2020/02/22
ミントン1209
2
職業柄、実務家が書いた"遺言本"はとりあえずチェック。発行が2001年のため、古さが感じられる部分がありますが(遺言状とは最近言いませんね^^;)、ご自身と著名人5名の自由闊達でかなりくだけた遺言を記載していたり、専門用語を極力使わず平易な言葉で書かれていたりして、垣根を低くしてくれています。そのうえで法律の専門家らしく条文や事例が記載されているため、薄っぺらな感じはしませんでした。願わくば、来年古希になられる著者に加筆訂正してしていただきたい一冊です。2014/10/31
Tatsuhito Matsuzaki
0
『五十三歳の誕生日にあたり遺言を致します。今年は私が公務員になって三十年の節目となります。この三十年を含め私の人生は、家族や友人、愛人、仕事にも恵まれ、幸せだったと... 』(一部私用に脚色) こんな感じの遺言状から始まる本書は、私が憧れたシーナ(椎名誠)さんの友人でメディア等でもお馴染みの木村晋介弁護士の著書。 「葬儀をせずに散骨」「ネコに年金」等の相談への答えも興味深いですが、福島瑞穂や清水義範、石坂啓、中道風迅洞、土屋賢二ら多彩な諸氏の遺言状は、各人の死生感や性格等が表れて秀逸。 2017/07/29