ちくま新書
消費資本主義のゆくえ―コンビニから見た日本経済

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  • サイズ 新書判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480058638
  • NDC分類 331.87
  • Cコード C0236

内容説明

規制緩和と電子ネットワークの整備により、消費者の選択の幅は広がり、個人消費が拡大して経済の活性化に寄与する―。このような「通説」がこれまで信じられてきた。しかしそれは長引く不況にあえぐ我々をもはや納得させてはくれない。大型スーパーからコンビニや専門店へと消費の主導権は移り、また一方ではIT革命が進行するなか、既存の理論では説明のつかない日本経済の現実をどう受け止めたらよいのか。戦後の日本が歩んできた消費の歴史を振り返りながら、現代経済と日本の消費社会に柔軟な感覚で新しい光をあてる。

目次

序 戦後日本の消費にかんする通説と異説
第1章 欧米社会に見る消費の五つの類型
第2章 戦後日本が歩んだ消費の歴史
第3章 消費資本主義とは何か
第4章 日本の消費はどこへ行くのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

128
副題が示すとおりにコンビニが今の消費社会の主導権を握っているのでしょう。銀座や首都圏の百貨店はまだその存在価値はあると思いますが、そのほかの地方都市の百貨店はかなり厳しい対応を迫られてくると感じています。その消費の状況をかなり前の本ですが的確に見通していると思います。ただ今後はその状況もかなり変わってくるのでしょう。アマゾンなどが宅配を行うことを決めて地域での試験的な対応をおこないつつあることを聞きます。またドローンなども使用すると消費者の行動様式はさらに変わっていくと感じられます。2016/03/11

とーとろじい

3
日本の資本主義の発展を時代を追って整理している。資本主義の黎明期、エリザベス一世との“対面”を意識した英貴族の衒示的消費は、現代のネット社会における趣味グループ内での衒示的消費と同型なのではないか(回帰したのではないか)と著者は指摘する。著者が最終的な勝者とみなしているコンビニの業態は、多品種少量生産の、時と所に応じた個々人への供給体制であり、それはネットが加速させる消費者の原子化と同一軌道上にあるといいたいのだろう。2000年の本だが予測的な見通しも正確で、憂慮された公共性の喪失は今なお進む一方である。2021/05/09

根室

2
雇用は流動的で不安定、老後も不安定。そんな社会で匿名のインターネットが広まっていけば、全体的に消費が渋られるきがする2012/09/13

Jade

2
松原氏は頭のいい人ね〜。昭和以降の日本の消費社会の歴史をここまで要領よくまとめてある本は少ない。この値段でこの情報量というのも素晴らしい。日本の消費文化論についてはハードカバーで何冊かでているけど、とりあえず、この1冊でOK。2011/08/06

ブロッコ・リー

2
著者頭良すぎて書かれていることや他著者への批評など殆ど全て脱帽。十分に咀嚼し切れていないので再読の必要有り。「行方」とあるがコンビニから先への展望を示したものでも現状の閉塞感を抜けたものでも無かった。我々が成し遂げた消費、流通の最先端がコンビニであることに憂鬱感を感じる。消費につきもののハレがない。そのコンビニでさえ今は青息吐息だ。2009/12/12

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