内容説明
エロティシズムは、日本ではどのような歴史をたどって形づくられてきたのだろうか。西欧世界のエロティシズムと比較したとき、どのような固有性が見出せるのだろうか。またそれは、現在の性の状況にどのようにつながっているのか。江戸時代に出現した“もののあわれ”とよばれる感情を手がかりに、古代の源氏物語から、中世の軍記物、近世の近松門左衛門、近代の泉鏡花・天皇制などを経て、現代の三島由紀夫、村上春樹までを題材にして、西欧との対比をしながら深層に分け入ってゆくミステリアスな一著。
目次
第1部 エロティシズムと時間性(文化とエロティシズム;観念としてのエロティシズム;熟してゆく時間 ほか)
第2部 近世日本のエロティシズム(近世以前;肉体の浮上;観念の反撃 ほか)
第3部 近現代日本のエロティシズム(近世の遺産;近代天皇制とエロティシズム;性への恐れ―森鴎外ドイツ3部作をめぐって ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
SOHSA
11
本書はタイトルにある『日本のエロティシズム』とは何かについて語られたものではなく、エロティシズムという視点によって古代から近世、現代に至る日本を読み解こうと試みたものである。日本文化の根源的特長である「もののあわれ」の本質をエロティシズムに見て、封建的主従関係や天皇制、任侠、葉隠、江戸の大衆文化等々を大胆に解体していく言説は分かりやすく面白かった。しかし、一方で全てをエロティシズムに集約しようとする試みはやや苦しい。そもそも論としてタイトルでもある日本のエロティシズムとは何かをまず解き明かしてみせてほしい2013/03/31
すーさん
1
大学時代の教授が絶讚していたので、再読してみた。さすがに以前より理解は深まったが、自分に教養がないことを痛感する。バタイユに関する考察についても、バタイユを読んでいないからわからない。2019/12/13
はかせるオムツムーニーマン
0
さあ、みなさん輝きましょう
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