ちくま新書<br> 王妃オリュンピアス―アレクサンドロス大王の母

ちくま新書
王妃オリュンピアス―アレクサンドロス大王の母

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480057457
  • NDC分類 231.7
  • Cコード C0222

内容説明

古代マケドニア王国興隆の立役者フィリッポス二世の妻であり、東方遠征の英雄アレクサンドロス大王の母であるオリュンピアス。蛇を扱う狂信的な密儀の熱心な信者、夫の暗殺を背後で操った真犯人、さらに王族の女性たちを次々と手にかけて殺した残忍な王妃。また一方では息子に狂おしいまでの偏愛を注ぎ、大王の私生活にも影響力をふるった猛母。はたして彼女は、これら古代の伝承が伝える野心と権力欲にまみれた希代の悪女なのだろうか?古代マケドニアの興隆から動乱にいたる時代を背景に描く、一人の王妃の光輝と波乱に満ちた生涯。

目次

第1章 密儀
第2章 同盟
第3章 王子
第4章 宮廷
第5章 亀裂
第6章 暗殺
第7章 情愛
第8章 抗争
第9章 故国
第10章 動乱
第11章 決戦
第12章 断絶

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

4
オリュンピアスは実際に王室と王国の宗教儀式や祭典をつかさどっており実質、宮内大臣相当だったという。側近たちへの猜疑は王家を預かる責任と義務感に由来していたのだという。「アレクサンドロスの…側近たちについても、オリュンピアスは露骨な敵意を隠さなかった。前330年のある陰謀事件の裁判において、嫌疑を受けた側近の一人は王に向かって、「そなたの母上は我々のことをそなたの敵だと書いてよこした」と述べている。オリュンピアスが王の朋友達に猜疑心のこもったまなざしを注いでいることは…周知のことだったのである。」2023/04/10

遊未

4
結婚前の実家モロッソイ王家、嫁いだマケドニア王家フィリッポス2世、アレクサンドロス大王、そして、大王の死後のことがバランスよく書かれています。さらにアイガイで発掘された王家墳墓について副葬品、研究が紹介されている点が魅力です。大王があまりに偉大であったため、その死後に王家女性たちの波乱万丈と逃れられない死という運命があったのでしょう。そして、歴史に名が残ったということでしょうか。2015/11/08

Mana

4
アレクサンドロス大王の母オリュンピアス。息子のために夫を殺したということぐらいしか知らなかったけど実際には殺していないらしい。アレクサンドロス大王の東方遠征についてはほとんどのってない。大王の死後に王族女性たち(彼の母・妻・姉妹たち)のたどった運命がかなり詳しく書いてあって興味深かった。皆色々と生き延びるために策略(?)を駆使して結局は客死してしまう。彼女たちはどうすれば良かったのだろうかと考えてみたときに死ぬのは逃れようのない運命だったように思えてくる。2012/04/18

takao

3
ふむ2024/04/21

印度 洋一郎

2
アレクサンダー大王(本書ではアレクサンドロス大王)の母オリュンピアス王妃の評伝。ギリシャ・ローマ史では「毒婦」と称された王妃だが、著者は、多分に一夫一婦制のギリシャ・ローマ人の偏見だという。一夫多妻(しかも全員正妻)で長子相続制もない古代マケドニア王家はいつも内部抗争が絶えなかった。そんな中、意思が強く息子との強烈な絆がある王妃は、競争相手の王妃や息子の王位継承を脅かす王族を粛清していく。更に、大王亡き後は遺された王家の女達(母娘共に武将という女傑もいた)が分裂する帝国の中で激烈な骨肉の戦いを展開する2020/02/25

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