内容説明
哲学は時代順に進歩するものではないが、類似性でまとめれば済むというものでもない。重要なのは、それが生きた伝統として、現代の共有財産となりうるか否かである。古代ギリシアに始まる精神の伝統を、弁証法の系譜や論理形式、キリスト教の影響などテーマ別に読み解き、古典の織り成す多面的で豊かな世界を提示する哲学史の冒険。
目次
第1章 青春の哲学―意味の製作モデル
第2章 晩成の哲学―意味の解読モデル
第3章 意味表現の論理形式の系譜
第4章 他者としてのキリスト教
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SOHSA
29
著者が序文で書いているように、哲学史の観光ガイドといった感じの本。それもありきたりの定番観光コースではなく、「ああ、こういうルートもあったのね」と思わせるちょっとマニア好みのコースに連れて行ってくれる、そんな本だった。途中、時折、立ち止まっては、読み手に「お客さん、ここを見落としちゃいけませんよ」と見所をこっそりアナウンスしてくれる。そして巧みにその時代時代の哲学者の思想の橋渡しをしながら、(→)2014/06/21
taro335
4
う〜ん、ほとんどついていけなかった…。しっかり哲学を学んでいる人向けですな。2014/04/17
いかすみ
2
哲学史ツアーに気軽に参加したが、結構な登山で、遭難した。デカルトとスピノザを比較して、前者は知識の純化を目指すピューリタニズムとし、後者を世の中の知識をかき集める全体論的と説明していて、その点は分かりやすい。あとがきから好きになった文章を引用。「何らかの「自分の哲学」と呼べるような説を持ってもよいが、持たねばならないと考える必要もあるまい。[•••]特定の価値観や宗教に加担することもしないことも、哲学自体からは出てこないであろう」。著者の真意とは違うけど、強迫的に「自分の哲学」を持たなくても良いと思った。2025/01/22
なかたにか
2
いい本ではある。 入門書ではない。いきなり、始めはフッサール(現象学)がいいですよと(同じくカントもと理由なく)言っている人の発言です。 もっともなことを言っているのですが、教科書を脱するのは、教科書を理解してからだと思います。 教科書はいいものではないですが、必要なものだと思います。 教科書は必要悪ですかね。 「アインシュタイン最高!相対論マジ感動!読みな!」と文系の物理の素養のない人にいきなり言うよなもではないかと思います。 数十ページで「ノエマ」が出るレベルでした。2012/02/25
誰パンダ
1
もとの哲学史の伝統を知らなかったのでけっこうさっぱりだった。ちょっと順番間違えたかな。それにしても文章の読みにくさはけっこうな感じ2011/01/22