内容説明
東京は一極集中問題を克服できるのだろうか？想像力の限りをつくして、巨大都市東京へのマスタープランを考え続けた都市計画家たちの、１００年にわたる〈夢〉の記録。
目次
序章 なぜ実現しなかった計画をとりあげるのか
第１章 欧化政策の夢のあと―日比谷官庁集中計画
第２章 国際貿易都市の夢ならず―東京築港計画
第３章 近代都市東京へのマスタープラン―「新東京」計画
第４章 幻の郊外地整備―東京市近郊町村区画整備計画
第５章 東京グリーンベルトの夢と片鱗―東京緑地計画
第６章 焼け跡に描いた理想都市―東京戦災復興都市計画
第７章 大ロンドン計画の不肖の弟子―第一次首都圏整備計画
第８章 １０００万都市への展望―東京計画・１９６０
第９章 革新都政の描いた唯一のビジョン―広場と青空の東京構想
終章 不確実な時代の未来計画をこえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鵐窟庵
7
明治から昭和にかけての東京の都市計画の中でも、実現しなかった案に注目して考察を加えている。多くは現実から飛躍して理想主義的であったり、大層な計画により予算不足であったりして実現しなかった。しかしその中でも東京緑地計画1939は、23区の外周部を幅1kmの緑地帯で一周させるものであり、温暖化や気候変動に対応する必要のある現代都市においてこそ、意味を持ちそうな計画に思えた。また本書の書かれた92年は、都知事選で都市計画が争点になる程人々の都市計画への興味関心は高かったといえる。2020/09/10
